今更も今更なんだけど、昨年の12月11日に湖南アルプスへ行ってきました。おいおい、いつの話やねんと思いますが、そうです、去年の話です。
ブログに書くタイミングを逃したまま年が明けたので、そのままお蔵入りにしようかと思ったけど、湖南アルプスは今後も攻めていきたい場所のひとつなので、ここはひとつ自分のため、己のため、自らのため、3か月ほど経っているけどまとめたいと思っております。
ちなみに今回は借り物のGoProを持ち出して、ちょくちょく走り撮りをしていたので映像特典(?)があります。読むのがめんどっちい方は動画で雰囲気だけでも味わってください。こちらです。
▲京阪電車の石山坂本線。JR石山駅よりもうちょっと先、石山寺まで走っている。
この日は風は冷たかったものの、快晴で気持ちよかったと記憶している。8:50、JRの石山駅からスタート。とりあえず瀬田川を南下、ちょうど琵琶湖に背を向けて川を下ることになる。
▲瀬田の唐橋。近江八景のひとつ。
▲宇治橋、山崎橋とならんで、日本三名橋のひとつでもあるそうな。
▲川沿いには遊歩道が設けられている。走りよい。
▲琵琶湖の水位が表示されている。今日はマイナス55cm。
▲こんな感じで川沿いをぐるりと巡ることができる。巡ってもなんもないけど。
▲みずのめぐみ館こと、アクア琵琶。マスコットはおそらくビワコオオナマズ。
▲瀬田川に掛かる瀬田川洗堰。
石山駅をスタートして川沿いを走ること約5キロ、瀬田川洗堰(あらいぜき)が見えてきた。実は琵琶湖に水を運ぶ流入河川は450本ほどあるんだけど、天然の流出河川はこの瀬田川のみ。(人工だと琵琶湖疏水などがある)
なので、この瀬田川の水を調整することが琵琶湖の水位にも大きく関係するらしい。それでさっきの電光掲示板みたいな表示があるわけね。
こういったことをもっと詳しく知りたかったらアクア琵琶へゴーだ。今回は全くスルーしてここから東へ、山の方へ向かっていく。
▲途中で見つけた鯉のタイル…まさかここは…
▲そうです、魚と遊べるパラダイス「南郷水産センター」!
瀬田川洗堰の近くには南郷水産センターというアクアティックなテーマパークがある。中には様々なアクティビティがあって、鯉にエサをやれたり、ザリガニ釣りができたり、鮎のつかみ取りまでできてしまう。
もちろん釣り堀で鮒や鯉も連れるし、なんならちょっと大きめの金魚釣りまでできてしまう、まさに魚と遊べるパラダイスなのだ。
我が家も子供が小さいときは何度かお世話になった。とりあえず来場者は少ないので、園内でぼけーっと過ごすのも悪くない。
▲南郷水産センターを通りすぎ、大戸川沿いを進む。看板でいうと草津方面へ。
▲橋を渡って左へ。
▲しばらく行くとY字路がある。
▲左が羽栗・新免コース、右が枝・里コース。今回は右へ進む。
▲気持ちの良い田園風景。
▲途中で見つけた神社。「毛」という文字に親近感がわく。
▲毛知比と書いて「もちひ」と読むらしい。なんで毛の文字を使ったんや…
▲田上公園を抜けていくと、いよいよ山な感じが出てくる。
▲看板発見!思った通りルートがいっぱいで迷子になるぜ。
▲このあたりで何か大きな建物を作ってたんだけど水はきれい。
▲しばらく細い舗装路を進んでいく。これがまあまあ長い。
▲ここから山に入れるみたい。富川道って書いてある。次回の宿題。
▲今回は不動寺の方へ向かう。
この先に迎不動という石仏が立っていて、ちょうど東屋のようになっており、そこにおじいさん二人とおばあさん一人が休憩して腰を下ろしていた。
お参りついでに道順を聞こうかなと思ったんだけど、僕の姿(半袖短パンサンダルのデフォルトスタイル)を見て「元気やなー」と先制攻撃を受けたので、「えへへ、皆さんもお元気で。」とか定型挨拶をしてそそくさとその場を去ってしまった。
ただこの後、まさかのロストしてしまい、ちゃんと道を聞いといたらよかったと、ちょっとだけ悔やむことになってしまう。お年寄りの言うことは聞くもんだ。いや、そもそも聞いてないけど。ちなみにこのあたりでちょうど10キロ走ったことになる。
▲思いのほか車が多い。このあたりまで車で来てハイキングするパターン。
▲林道を進んでいくとちゃんと道しるべが立ってました。(なぜ迷った?)
▲迎不動、泣不動、不動寺…不動ばっかやな。
▲最初は岩場を登っていく。さりげにロックバランシング。
▲結構岩場が多い。花崗岩かなぁ。湖南の方はこういう場所が多い。
▲眺望は良い。天気もいいぜ。
▲松茸どろぼうがいるのかしらん。
▲突如あらわれたお社。というか岩を祀ってるっぽいな。巨石信仰かな。
▲泣不動に到着!
この泣不動のすぐ近くにも大きな岩があったので見に行ってみたけど、とくに祀られている様子はなかった。ただ、このあたりは巨石が多くて、やっぱりそういうのって何か信仰の対象になったりするんだろうなとも思う。
こないだ行った三雲城址も巨石の宝庫だったし、金勝アルプスも岩だらけだったし、やっぱ湖南アルプス、ザ・魔雲天!(ん?)
▲梵字が彫られた石柱。この字はもちろん不動明王を示す「カーン」。
そういや聖闘士星矢に出てきた黄金聖闘士のシャカの技にそんな名前の技があったな。今思うと作者もキャラにどえらい名前つけよったな。
そんなことを思いながら山道を行く。思いの外、ちゃんと道があってハイカーの人も数人見かけることがあった。
進んでいく間にも、いくつか別の場所へ続くコースを見つけたりしたので、湖南アルプス奥深い。
▲いうてる間に二尊門に到着。
▲これこれ!Googleマップで見て気になってたヤツ!何てアンニュイ!
▲となりのヤツもまあまあな表情をかもし出してる。
個性的な2体の仏像が出迎えてくれる二尊門を抜けてさらに進む。この先にある不動寺までは目と鼻の先なんだけど、その途中に墓地があったので寄ってみることに。
こんな山の中に墓地があるなんて不思議な感じだけど、累代之墓地って書いてるから先祖代々続いてるお墓なんだろうな。
墓地といってもちゃんとした墓石は少なく、大きめの石を墓標にしたものが多かった。ただ、しっかりとお参りされた形跡があったので、不動寺の方がちゃんと管理してるんだと思う。
▲こんなところに墓地?でも標石はまあまあ新しめ。
▲山の上にひっそりと立つ墓標。
▲墓石も簡易的。ここまで大きな石を持ってくるのは大変だもんな。
▲墓地を後にし、さらに進むと…
▲やってきました。太神山の山寺、不動寺。
太神山(たいじんさん)不動寺
またの名を田上不動(たなかみふどう)ともいうこのお寺、創建は智証大師円珍(えんちん)と言われており、円珍は空海パイセンの姪の子という説もある人物だ。
円珍は天台宗寺門派の宗祖で、もともと比叡山延暦寺にいたんだけど、二派に分裂してしまい、延暦寺に残った円仁の派閥を山門派、山を下りた円珍たちは寺門派と呼ばれるようになった。
その後、円珍は長等山園城寺(三井寺)を拠点に活動することになる。そんな彼が作ったお寺がここ不動寺だ。
▲おみくじは比較的新しいものもある。
▲境内は広い。ま、ほぼ山だしな。
▲じゃーん!広場に鎮座するお不動さん。これが田上不動かな…?
▲さらに奥に進むとこんな山奥には似つかわしくない建造物が。
▲実はここが不動寺の本堂。室町時代前期に建てられた舞台作りの建物だ。
▲本堂の中は思いのほか質素。
▲なかなかの雰囲気だけど暗いだけ。電気もないし火気厳禁だし。
質素な内部とは裏腹に、本堂の意匠はかなりしっかりしている。また屋根は檜皮葺(ひわだぶき)といって、檜の皮を使ったものだ。ちなみに、この本堂は重要文化財に指定されている。
本堂を出ると逆方向から人が降りてきたので、「どこから来たんですか?」と聞いてみたら、どうやらこの上に頂上があるとのこと。とりあえず向かう。
▲ご丁寧に三角点の案内板がある。
▲ここが三角点。太神山、約600メートル。
▲山頂付近にも巨石がある。
▲岩々の一角に祠があった。
▲こんなところにも小さなお不動さん。
▲うーん、巨石すげーぜ。
▲デカいのは石だけじゃない。木もデカい。
▲立派な木。境内には何本も大きな木が立っていた。
▲帰りは三筋の滝方面へ。
不動寺の入り口まで戻って来たら今度は右手へ下っていく。急ではあるけど、砂利もひかれてるしお寺に物資を運ぶときに使うのかな。とりあえず走り抜ける。
▲このあたりまでくると普通の林道。
▲こっち側からくるとここが登山口になるんだな。
▲小さなお社。何この囲炉裏の上にあるような魚のオブジェクト。素敵。
▲ここからは長い長い林道を下って行く。
ちょっと誤算だったのは、不動寺から車道へ抜ける道が思いの外、長かったこと。実はこのあたり、バス以外に交通手段がないので帰りはもちろんバスの予定だったんだけど、田舎よろしく本数が少ない。
1本逃すと1時間ほど待つことになるので、何としても予定のバスに間に合いたい。ちなみにバスの出発時刻は13時。現在、12時。まあまあ焦る。
▲予定していた車道に出た!
▲ちなみにこんなところ。右から出てきて左の舗装路を行く。
▲この近く、というかこの一帯はある組織の土地でもある。
山の中を通る変哲もない車道をひたすら走る。この時、もはやバテていたので、少し歩きを入れながら、それでも先を急ぐ。
途中、三筋の滝というスポットがあって、滝好きとしては寄っていきたいところだったけど、断腸の思いでスルー、とりあえず遠くから写真だけ撮ったけど、どう見てもただの山の風景写真。
ここまで来た時点でおそらくバスには間に合いそうだとはわかったものの、すっかり足が疲れて思ったように身体が動かない。何よりバスに乗るならちゃんと着替えたい…そう思うとまだゆっくりはしていられないのだ。
▲山間の道を抜けた。
▲バス乗り場のあるMIHOミュージアム!うお、あとまだ1キロか…
▲ひーひー言いながらも軽い傾斜の登坂を進んでいく。足、限界。
▲なんで最後の最後にこんなに追いこまれにゃならんのだ。とりあえず到着じゃ!ゴルァ!
ミュージアムに付くと、僕の孤独な焦りは別世界のことのように、車で来場したお客さんたちがゆったりと過ごしていた。土と埃にまみれたサンダルおじさんは異物でしかない。
とりあえずバス停の場所を聞いてそちらへ向かう。すると警備員が寄ってきて「どうされましたか?」と聞いてくる。最初は親切心なのかなと思ったけど、真冬の、しかも山の中にあるこの場所で半袖短パンスタイルが怪しく映ったのだろう。牽制姿勢なのは感じとれた。
こちらも不必要に怪しまれることは望まないので、バス乗り場の場所とトイレの場所を聞いて、そそくさと着替えてバスを待つ。
その時も「どちらから来られたんですか?」とか「歩いて来たんですか?」とか質問してくるので、相当怪しまれていたようだ。くそ、お前、警備員の鑑かよ。ごめんね、あやしくて。
というわけで、今回のジョブトリップを3分の動画にまとめました。カップラーメンの待ち時間にでもどうぞ。