右足の幅がFでした。

サブ6ランナーかく語りき

【ただの】三雲駅周辺を走ってきた【ハイキング】

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先日、滋賀県は三雲へ行ってきました。

三雲は旧東海道の宿場町として栄えた町で、山手には三雲城址があって、ちょっとした歴史ある町だ。

ちょうど先月、アドベンチャーランナー北田雄夫さんのYouTubeで三雲あたりを走る動画を見たので、これは走らねばと思った次第。

実はこのあたり、数年前にも一度訪れたことがある地域で、トレイルランのコースとして開発できないかと、うっすら考えている。

本当は山の中を通ってJR草津駅まで行きたかったのだけど、午後から大阪で飲み会が入っていたため断念。

とはいえ、せっかくの未踏の地。とりあえず駅周辺を走ることにした。

 

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▲JR三雲駅東海道本線草津駅から草津線に乗り換えて20分ほど。ポスト古い。
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▲ここが旧東海道。走ってくれと言わんばかりのタータンカラー。

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三雲駅から隣の甲西駅にかけて、周辺は見どころがたくさんある。
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草津線の線路。天下の単線。

三雲駅から旧東海道を西に走ること2キロ。これといって見どころがないままぶらぶら走っていると目の前に風情あるトンネルが出現。

僕の前を歩いている人が大そうなカメラを持って写真を撮りだしたから、これは何か有名なスポットかもしれない。

とは思ったけど、目の前に三雲城址への看板が見えたので、とりあえず城跡へ向かうことにした。

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▲ツタのからまるトンネル。後述するけど、これ実は水路だったりする。
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▲ひっそりと主張する旧東海道。このプレート、いいな。
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▲ここから山手の方へ向かう。城跡までは1.7キロと近い。
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▲しばらくはこんな感じで住宅街を通っていく。

三雲城址へ続く道は決して複雑ではないんだけど、ここでいいの?っていうくらい普通の住宅街を通り抜ける。

なんなら、あれ?オレ何しに来てたっけ?と錯覚するほどの、どこにでもある住宅地だ。城を攻めに来た敵を錯乱させるための計略なのかもしれない。(なわけない)

でも、現在は丁寧すぎるくらい標識が用意されているので、全く問題なく城に攻め入ることができてしまう。

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▲湖南アルプスは奇岩、巨石の宝庫。犬頭さんって何や?
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▲一本道のアスファルトを登っていくとここで分岐に。
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▲城跡まではずっとこんな感じ。まあまあの坂。
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▲時勢にこびた観光スポット。
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▲情報が交錯してよくわからない説明版。こういうの嫌いじゃない。
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▲見事にパックリ割れている。さすが炭治郎。

割れた岩から登ること数百メートル、三雲城への登城口に到着。

1487年、足利義尚率いる幕府軍の攻撃を受けた観音寺城の六角高瀬が、三雲典膳実乃に命じて築かせたのがこの三雲城だ。

日本史に疎い僕は登場した人物を誰も知らないんだけど、とりあえず室町時代の出来事だということは分かる。

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▲ここから登る。八丈岩も見どころのひとつ。

先ほどから写真にチラホラ出てきているのだが、ここ三雲と猿飛佐助には関わりがあるようだ。

猿飛佐助は真田幸村に仕えた真田十勇士のひとり。真田十勇士は映画にも舞台にも、そしてファミコンソフトにもなっている有名な話なんだけど、残念ながらフィクションだったりする。

ただ、この猿飛佐助は史実に基づいた人物という見方もあって、そのモデルとなったのが三雲佐助賢春ということらしい。
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▲城郭跡。ここが主郭で、向こうに盛り上がったところが土塁。
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▲こんな山の中にも井戸がある。

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▲石に付いた歯形みたいなのは、矢穴というらしい。

「矢穴」というのは大きな石を分割するときに楔を打ち込む穴とのことで、このあたりには巨石が多いことから発達した技術だと思われる。

ちなみに、この技法は大阪城築城の際にも使われたらしく、そこから全国に広まったそうな。
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▲それほど高い山じゃないけど、見晴らしはいい。
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▲上の写真と似てるけど、別の場所。誰かが帽子を忘れてる。

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▲岩に刻印がされているとのことだけど、見つけられなかった。
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▲この岩のどこかに刻印が。ちなみに20センチ角の大きさ。岩に対して小さ過ぎる。

城郭跡から山の北側を下っていくと、ひときわ大きな岩がある。それが、この八丈岩だ。でかい!

「落ちそうで落ちない」ということから合格祈願の岩として祀られているけど、そもそも受験で「落ちそう」な状況は良くないよね。

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▲猿飛佐助もここで修行したそうな。
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▲八丈岩全貌。写真ではその大きさがわからないのが残念。
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▲逆から見ると、確かに落ちそうで落ちない感じもしないでもない。
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▲八丈岩の近くに無造作に転がる石ころ。
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▲こういう粋なはからいがある。
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▲中はこんな感じ。手ごろな石と油性マジックが入っている。
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▲せっかくなので、僕もひとつ書いてみた。健康大切!
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▲とりあえず目立つところに置いてきた。
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▲これ。ここに置いてきた。

石に願い事を書いて好きなところに置く、というのは確かにちょっと楽しくはあるけれど、そもそも何で石に書く必要があるのかしらん。

岩と石って関係あるようでないよね。と、そんなことをぼんやり思いながら城跡を後にする。

坂道を下って、さっき通ってきた住宅街に入ろうとする手前、川沿いに続くトレイルがあって、弘法杉という立札が出ている。

帰りはこっちを通っていくことにした。
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▲大沙川トンネルって書いてる。さっきのトンネルのことだな。
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▲しばらく行くと大きな木がある。
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▲おぉ、でかい!なかなかの迫力。

この巨木が弘法杉と呼ばれる、推定樹齢750年の大杉だ。なぜ弘法杉と呼ばれているかというと、ここで弁当を食べた弘法大師が、使っていた箸を地面にブスっと刺したそうな。そしたら、その杉の箸が根付いて芽が出て大杉になったということらしい。

今さら空海パイセンのミラクルに驚きはしないけど、食べた後の箸を地面に刺すって、何か遠足の時の小学生男子みたいだな。f:id:iparappa:20211211222103j:image
▲弘法杉の横には小屋があって、そこに空海パイセンの像が祀られている。
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▲左にちょっと写っているのが弘法杉と小屋。この溝がトンネルの上部になる。

この溝、大沙川は土砂などが堆積して、川底が周りの平地より高くなってしまった、いわゆる天井川だ。

その土手に川底をくぐるように作られたのが、行きにも通った大沙川トンネルで、現役最古の石造物トンネルとのこと。
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明治17年建設。なるほど、そう思うと確かに写真におさめたくなるな。

トンネルをくぐったあとは、また三雲駅まで約2キロ。ブラブラ走ってフィニッシュ。周辺を巡る約8キロのランニング。もはやただのハイキングでした。
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▲帰りの電車の車窓から八丈岩が見えた。
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▲拡大画像。肉眼だともっと良く見える。

自宅からそれほど遠くないとはいえ、普段なかなか行かない場所でゆったり走って、山も登って見どころがあって、これはこれで楽しかった。

あとは美味しいものでも食べれたら言うことないな。

っていうか、これってなかむらるみさんの「走る旅」みたいだな。

こういうゆるいシリーズ、いいなぁ。