ただいま、朝の9時30分。おはようございます。ケナミです。
ブログを書いてる時間じゃありません。ここ近江八幡駅にいる時間です。
そうです。今週もやってまいりました東近江!
前回、やや不完全燃焼気味だったこともあり、繖山(きぬがさやま)から連続しての新コース開拓回。
ということで、今回は琵琶湖畔のこのあたりを走りたいと思いマス。
▲今回のルート。近江八幡駅から北に位置するこのあたりを走る。
近江八幡駅はまあまあ大きな駅で、直結してイオンがあるし映画館もあるし、大型家電量販店もあって、駅前だけは栄えている。
あとは大きな道路のわきにスーパーやらドラッグストアやら飲食店が立ち並ぶ、典型的な郊外型地方都市だ。そんな言い方あるのかどうか知らんけど。
今日は非常に天気がいい。少し暑いくらい。
とりあえず、まずは川沿いを走って琵琶湖まで抜け、そこから最初の目的地である長命寺を目指す。
▲駅から川沿いを走るんだけど、まだ桜がきれいに咲いていた。
▲よし笛ロードと呼ばれるこの道は舗装もされており走りやすい。
▲向こうに見えるのが今日のお山。あれを登って向こう側へ下る。
滑り出し、きれいな景色に走りやすい道とあって、気分明るく走っていたんだけど、今日はどういうわけか脚が重い。
この日のために昨日は休足してたのにな。なんて思っていたけど、よく考えたら娘と20キロほどサイクリングをしていたのだった。
しかも2回ほど坂道アタックやってみたり。2回とも負けたけど。
そのせいか、太ももあたりが重ダルい感じ。ただそこ以外、体調は悪くない。
▲スタートから約30分、大きな道路まで来た。向こうに見えるは僕らの琵琶湖。
▲右に曲がって直進する。
▲標識にしたがって国道から西へ入ってしばらく走ると見えてくる。
▲やあ、久しぶりだね、長命寺。
実はここ、長命寺にやってくるのは二度目。一度目は分割ビワイチをしている時で、いつかここのお寺には来たいと思っていたのだった。
本堂まで続く長い石段は808段。あれから数多のトレイルを走ってきた今なら…行ける!
と思って勢いよく登り出したけど、最後までノンストップで行けるわけもなく。途中からは意地と疲労のせめぎあい。
808段ということは108ある煩悩7回分、あまり52!ん?あまりってなんや?この計算いるか?とかなんとか思いつつ、気が付けば到着。
▲午前10時30分、長命寺に到着。まあまあの階段だったぜ。
長命寺
ここ長命寺は、聖徳太子が創立したと言われている。言われてるんだけど、その前にここで逸話を残している人物がいた。それが、武内宿禰(たけしうちのすくね)だ。
全然知らない人なんだけど、なんでも古事記や日本書紀に登場する人物で、ずいぶん昔の人らしい。
長寿を祈願して300歳まで生きたらしく、5代の天皇に仕えたそうだ。マユツバな話だけど、今回はそういう話を後にも聞くことになる。
▲本堂の奥を歩いていると見つけた看板。何の看板かというと…
▲見上げた先にある、あの大岩のこと。あのせり出したところで祈ったのかしらん。
▲境内からの眺め。琵琶湖を見下ろす良い眺め。
長命寺は山の中腹にはあるんだけど、残念ながらここからさらに上にはいけないので、いったん舗装路を下って、途中の登山口から山へ入る。
▲今回のトレイルも標識が立っている優しい仕様。
▲ふと横をみると山頂への道しるべが。行ってみるか。
▲長命寺山の頂上。なんてことはない、茂みの中の三角点。
▲途中でせり出した岩を発見!
▲写真じゃわかりにくいけど、まあまあの高さ。こういうところにすぐ行きたがる。
長命寺山は333メートル、そこから最高点である奥島山まで縦走路を進んでいく。途中、上記写真のせり出した岩くらいしか見どころがなく、淡々と進む。
基本的にはシングルトレイルの走りやすい山道で、標識もあるし親切なコースだ。
▲山頂近くにあった、空奏(そらかな)テラス。もちろん寄ってみる。
▲大きな岩が重なるように並んでいて、そこを登りきると…
▲じゃーん!レイクビュー!
▲そしてさっきよりも高い場所!ヒヤヒヤするぜ。
空奏テラスとよばれる大岩の出っ張りは、非常に眺めの良い場所で、先客がちょうどお昼前ということもあり、カップラーメン食べていた。
眼下に広がるレイクビワ、開放感のある足場、なかなか最高やないか。ただ、僕を含めおっさん四人でご飯食べるには暑苦しい。足早にその場を去る。
▲山頂付近にあった大岩。ご神体かしらん。
▲スタートから約2時間で目的の奥島山山頂へ到着。こちらも眺望なし。
▲このあたりも非常に走りやすいトレイル。このルート、だいたい整備されていた。
下りを軽快に走っていると、かすかにお経のような声が聞こえる。山にいると何かの音が人の話し声に聞こえたりするのはあるあるだ。
だから、今回も羽虫の音かと思って、昔の人はこういう音を聞いて「妖怪がー」とか言ってたんだろうな。なーんて想像してたら、突然目の間に人が現れた。
男性と女性二人。向こうも突然、サンダル短パン野郎が転がり出てきたので、お互いしばし時間が止まったように見つめ合う。
その時気付いたんだけど、男の人の手にはお経が。どうやら本当にお経を読んでいたようだ。昔の人、疑ってごめん。
▲これが天之御中主尊と呼ばれる大岩。
やや異様な雰囲気を感じとって、さーせんさーせんって感じで屈んで前を通り過ぎようと思ったんだけど、どうにも気になったので、何をしてるのか聞いてみた。
すると祈りを上げてますとの答えで、よく見ると目の前に大きな岩があった。なるほど、これか。と思って、「ご神体か何かですか?」と聞くと、女性の1人が「宇宙の神様です」との返答。
マジか。「宇宙の神様」って、初対面の人になかなか言えるひと言じゃないと思うんだけど、どうなんですかね。いや、ディスってるとかそういうんじゃなくて、ワードがパワー過ぎるなと。
宇宙の神様と呼ばれた岩?は、天之御中主尊(あまのみなかぬしのかみ)という、これまた古事記に出てくる、天地開闢の神様だそう。
今日はいにしえの事柄とよく遭遇するぜ。とりあえず、その場はそそくさと立ち去る。
▲カンバンバラバラだけど、とりあえず休暇村を目指す。
▲開けたところに出た。
▲この看板の手前を左へ入って進んでいく。
▲いい感じのトレイル。比叡山から大原に抜けるあたりの山道に似てる。
▲なんかまた興味深げなものがぶら下がってるで、おい。
途中、何の変哲もない木の枝に「念彼観音力(ねんぴかんのんりき)」と書かれた札がぶら下がっていた。誰が何のために?
僕は恥ずかしながらこの念彼観音力というのを知らなかったんだけど、法華経の念仏みたいなものなのかな。
長命寺から続くここの山は、何かそういうスピリチュアル的な場所なのかしらん。
▲木々の合間を抜けていく。気持ちいい。もう少しすると舗装路に出る。
▲お!舗装路が見えてきた!
▲ここでいったん、トレイルアウト、ロードイン。
▲しばし道なりに行くと休暇村が見えてくる。琵琶湖も近い!
▲というわけで、琵琶湖につかる。ひょー!気持ちいいぜ
▲湖岸には結構多くの人が水遊びに来てた。今日暑いしな。
▲ここでお昼休憩。持参のおにぎりをひとつ食べる。
休暇村ちかくの浜で15分ほど休憩する。文字通り、ひと山越えたしな。となりで大型犬がザブザブ水に入っていたので、こっちも負けじと入ってやろうかと思ったけど、時期的にまだ少し早いと判断。
腹ごしらえを済ませて、湖岸沿いを走る。釣り人も多いし、まあまあにぎわっていた。
▲道沿いにある堀切港。琵琶湖に浮かぶ唯一の有人島、沖島との連絡場所だ。
▲実は沖島行もひっそり考えていたんだけど、往復するとなるとちと時間的に厳しい。
▲沖島行にいくと戻る船に乗るのにかなり時間が空く。行くならちゃんと計画した方がよさそう。
▲で、その港のすぐ横にこんな感じで登山口ならぬハイキング入り口がある。
▲琵琶湖に出っ張るこの伊崎山が最後の目的地。
伊崎山は舗装路がないので歩くしかないんだけど、見どころになるのは、北端にある伊崎寺くらい。あとはカワウの観察でもしない限り、めったに足を踏み入れることはない場所だ。
それほど距離があるわけではないので、時計回りに回って伊崎寺を目指す。
▲伊崎寺まで手前ルートは2000メートル、奥のコースは900メートル。行きは2000メートルコースをチョイス。
▲このコースからも琵琶湖を眼下に向こう岸が臨める。
▲そしてここにも巨石が多い。
西側の大外コースをたどって伊崎寺に行くつもりが、まさかの通行止め。仕方なく山の中を迂回する。
全体的に整備されてて走りやすかったんだけど、これといった見どころもなく鬱蒼とした野道を無心に走る。
伊崎山では誰にもすれ違うこともなく、そしてあまり人の気配を感じることなく走り過ごすことができた。
▲がびーん、ここでまさかの立入禁止。道が危ないんかな。
普段、例えば電車に乗っているとドアの上にモニタがあって、天井からもモニタがぶら下がっていて、どこを見ても動画が流れてて、そしてスマホで動画を見る、みたいな情報過多な環境に身を置いている。
だから山に入って、そういった嫌でも流れてくる視覚情報から離れることが、僕にとってはとてもストレスフリーなのかもしれない。
独りで何も考えず、だけど感覚は張り巡らしてトレイルを走ることで、なんかこうリフレッシュするというか、スッキリするという感覚はあるんだよな。
ただ独りだと、きれいな景色もしんどい思いも、そして達成感も分かち合えないのが、ちょっと寂しい。
伊崎寺
出発してから約4時間、伊崎寺に到着。ここ伊崎寺は天台修験の三大聖地のひとつで、もともと奈良時代、役行者が見つけたとされている。
その時、猪が役行者を先導したということで、猪先(いさき)という名前になったらしい。
その後、相応(そうおう)和尚が寺を建てて不動明王を祀ったことが創建とされている。
▲扁額もなかなか年季入ってる感じ。
▲本堂の奥には、棹跳堂というお堂がある。
▲ここが棹飛堂。
伊崎寺にはひとつの奇祭があって、それが「棹飛び」と呼ばれるもの。琵琶湖へせり出した棹から身を投げるという、荒行なのか何なのかわからないが、そういう行があるらしい。
以前は一般の人も飛び込めたそうだけど、今は百日回峰行を満行した行者のみ飛び込むことができるとのこと。やってみたかったなぁ。
▲他のサイトから画像を拝借させてもらった。これが棹飛び。
▲棹飛堂からの眺め。琵琶湖が広く見える。
▲お堂の近くにあった、むちゃ反り返った蛇口。これ絶対濡れるよね。
伊崎寺はそれほど広いお寺ではないので、しばし休憩して帰路につく。とりあえず、伊崎山というんだから山頂には行っとかないと。というわけで、帰りも山道を進んでいく。
ただ、山頂までのルートが非常に不明瞭で、マップを頼りに道なき道を登っていく。何か久しぶりに山道じゃないところをウロウロしたわ。
少し迷ったけど、なんとか無事に山頂到着。目立つ看板があってよかった。
▲とりあえず山頂を踏む。今回はどこの山も眺望はなかったなぁ。
▲最初の900メートルの看板まで戻ってきた。
▲無事、下山。
山頂からはハイキングコースをたどって無事に下山。もとの堀切港へ戻ってきた。このあと、能登川駅まで行くんだけど、いったん途中のファミマで休憩をとる。
▲ファミマでどら焼きチャージ。
▲東近江市突入!
▲川沿いを東へ。
▲何か手すりが低くて趣ある橋だな。
ファミマからは淡々と走っていく。この時点でだいぶバテてはいたけど、とりあえず歩かず走れたのは少し成長している証拠か。
川沿いを進み、畑の間を通り、民家の横を通り進んでいく。
途中、道で遊んでいる子供たちに、突然「こんにちは!」と元気よく挨拶された。どこかで聞いたことあるけど、知らない人に挨拶するのは不審者防止の意味があるんだとか。
どうやら滋賀の子供たちから不審者認定されたようだ。ま、否定はしないけど。
▲こういう田舎道ショット、大好き。
▲山に〇のマーク。
▲きぬがさコースというサイクリングコースらしい。このまま右へ。
▲能登川駅まであと約1キロ!
▲15:50、JR能登川駅に到着。疲れた。
今回、スタートの近江八幡駅から山を越え能登川駅まで約29キロのジョグトリップ。山道は人が少なかったし、下山してから駅までもゆるゆるながらも走りきったし、天気も良くて充実した内容だった。
あらためて琵琶湖畔を走るのは気持ちいいな。何かまたビワイチしたくなってきた。
以前、同様のコースを走ったときのブログ ↓