金勝アルプスが思いのほか良かった話
僕が比叡山縦走と並んでトレイルランニングのコースとして計画しているのが、滋賀県は草津東部に広がる「金勝(こんぜ)アルプス」だ。ウワサではゴツゴツした岩場がステキなところらしいがまだ行ったことはない。行ったことはないけど、ないなりにGoogleマップを見ながらあれこれ想像し、登山口から甲西駅まで抜けれないかと思案している。
▲ざっくりとこんな感じ。阿星山から甲西駅までのルートはかなり適当。
今回、初めてということもあるので、まずは竜王山あたりのわかりやすいところまで行ってみる。なんか見どころもたくさんありそうなので攻めずにゆったりのんびり行くことにした。
▲今回のルート。南草津駅からスタートして戻ってきた。24キロの行程。
金勝アルプスの登山口となる桐生キャンプ場には草津駅からバスが出ていて約30分で到着する。それに乗ってもよかったんだけど、バスの時間に合わせるのが面倒だったので南草津駅から走ることにした。登山口まで約7キロ。
▲南草津駅。昔は何もなかったのにだいぶ栄えてる。
▲駅からかがやき通りを直進し、途中から県道2号線に入って東へ向かう。
▲県道2号線を突き当たったら川沿いを行く。地図を見た感じでは土手っぽかったけど車道だった。
▲山に近づくとだんだんのどかに。4月8日現在、まだちょっと桜が咲いてた。
▲桐生キャンプ場を目印に向かって走る。
▲正面の山に岩がゴツゴツしてる。あそこか!待ってろ金勝!
▲駅から7キロ、上桐生のバスに到着。ちょうどバスが止まってた。
▲Googleマップで見た案内板だ!右側の鎖の先がキャンプ場。
▲地図を拡大。ルートが丁寧に書かれてる。
金勝アルプスへは桐生キャンプ場の駐車場から登っていくので、車がある人はここに止めてもいいかもしれない。トイレもあるし自販機もあるし、出発の準備は十分整う。僕が着いた時にも数名登山者がいた。さて、早速登って行くわけだけど、いくつかルートがあるうち落ケ滝と天狗岩は見ておこうと思う。
▲しばらくは舗装された林道を進む。ヤマツツジがキレイ。
▲こんな感じで丁寧に看板が立ってる。滝までは歩いて30分くらい。
▲トレイルを抜けると広場へ。向こうに池があって明るくて思わずテンション上がる。
▲川沿いのトレイル。ここも気持ち良いし走りやすい!
▲水もキレイ!今回のお供はXero ShoesのAmuri Venture。
▲数人の登山者とすれ違う。中には結構な高齢者の方もいた。
▲落ケ滝、到着!おー!壮観!
▲水の量が少ないから滝のすぐ下まで行っても大丈夫。
とりあえず、ひとつ目の目的地である落ケ滝へ到着。ここまでは迷わず困らずすんなりと来ることができた。男性二人が先客としていたので写真を撮ってもらう。実はスマホ用三脚も持って来てたんだけど、全然うまく撮れなかった。
滝の先に進めそうな道があったのだけど、地図にはのってないし変なとこに出てもイヤなので、素直に分岐まで引き返し天狗岩を目指す。
▲天狗岩へのルートもシングルトレイルの走りやすい道が続く。
▲と、思いきやこんな沢を進んで行くところも。
▲こんな岩場を進んだり…
▲沢登り感を味わったり…
▲はたまた水浸しトレイルを進んだり…
▲鎖やロープで岩を登ったりと、かなりバリエーションに富んでいる!
このあたりから多くの登山者と出会ったけど、子供を連れたファミリーが多かった。確かに、このバリエーションに富んだ山道は走っていて楽しい。特に小学生あたりなんかは、常にわくわくしながら楽しめると思う。40のおっさんも楽しんでるけど!
▲ヤマツツジの小道を抜けると、
▲ジャーン!見晴らし良い!岩々してる!
▲前を行く登山パーティのみなさん。結構な荷物背負ってるなぁ。
10名ほどのパーティがいたので、その最後尾についてボチボチと登る。今日はゴリゴリ走るつもりはないし、来てみてわかったけど、結構登山者も多いから走るには適さない山かもしれない。
▲岩場に着いた。おぉスゲェ!岩スゲェ!
写真がヘタクソで雰囲気が全然伝わってこないけど、大きめの岩があちらこちらで突き出ていて、ゴツゴツ感が半端ない。あっちも岩、こっちも岩、積み重なってたり、突き出ていたりと面白い。
岩の上をあちこち探索していると、さっきの登山パーティと再会する。ここでも写真を撮ってもらう。するとメンバーのひとりが「それってワラーチってやつですか?」と声を掛けてくれた。
いや、これはXero Shoesというヤツなんすよー、とか何とか言いつつサンダルが快適であることをアピールする。別の人が「やっぱ BORN TO RUN 読まはったんですか」と聞いてきたので、読みましたよ!なはははー!と答えて、ミーハーな僕の返答にちょっと場が和んだ。
▲「足元、撮っていいっすか?」という呼びかけに快く応じてくれた登山者の皆さん。
▲岩々しい景色を臨みながら進む。
▲左上の岩が天狗岩付近か。
▲岩の間から琵琶湖が見える。しかし変なカタチだな、岩ども。
▲登れそうな岩があると登りたくなるのが人情。でも危ないので注意すべし。
▲この巨石が天狗岩なのか?岩だらけでよくわからん。
おそらく天狗岩っぽいところに到着。かなりの人がいたので間違いないだろう。皆、思い思いに岩の上で休憩している。ちょうどお昼時ということもあり、昼食をとる姿もちらほら。
僕はご飯を食べるなら景色がいいところで、と常々思っているのでしばらく空腹を我慢して走っていた。だからやっとのお昼。しかし、見晴らしがいいからか今日が特別なのか、なんせ風が強い!さすがに半袖短パンは寒いか。パーカーを羽織り持参したおにぎりを食べる。
▲風が強いので岩陰で休憩。ちょうど人ひとり分のスペースがある。
▲今日も自作自演おにぎり。見晴らしが美味さを1.5倍にしてくれる。
目的の天狗岩もクリアしたので、引き返すことを視野にいれてルートをとる。とりあえず、分岐になる耳岩へ向かう。このあたり、実は結構入り組んでいて、油断すると岩の中で迷子になりそう。次の耳岩も場所がよくわからないけど、岩の間を抜けて抜けて進んでいく。
▲こういう狭いところも多くてスリリング。
▲岩場を抜けて大きな岩の上に乗る。さっきの天狗岩より高い場所に来た!
▲巨石群と向こうに琵琶湖。足元のすぐ先は断崖絶壁。
この岩、実は結構頑張って登ってみた。足がすくむほど高いところにあるし、遠景で写真撮ったらいい感じだったろうなと思う。ただなんせ独りなもんで、そんな写真も撮れないし、頑張って登っても誰もリアクションしてくれない虚しさがある。
▲ここから標高が下がってくる。
▲岩の隙間を通るような場所だけど、階段もあり整備されている。
▲「重ね岩」。確かに重なってる。
▲山の間を切り裂くように走ってるのは新名神か。
▲あとはどんどん下るだけ。岩多いし濡れてるし、足元注意。
▲狛坂(こまさか)磨崖仏。奈良時代後期の作とされている。
▲桐生バス停の案内が出た。右へ進む。
▲人もほとんどいないので快適に走る。
登りか下りかどっちが好きかと聞かれると、やっぱ登りはしんどいし下りの方が好きだけど、"ここを下ればゴール"みたいな時は、ただ義務的に下るだけというか何か消化試合みたいな感じであまり好きじゃない。人工物が多くなってくるのもちょっと寂しい感じ。
▲新名神の下をくぐるトンネル。ここから先は舗装路。
▲トンネルを過ぎると分岐があって…
▲ルートは左、上桐生バス亭に向かう。
▲途中にあった逆さ観音。ホントに逆さ。なんで?
鎌倉時代の初期に作られたとされる逆さ観音。もちろん最初は逆さではなかったとのこと。どうやらこの先にあるオランダ堰堤を築く際、石材不足でこの岩の一端を削り取ったらしい。それでバランスを崩して倒れ、逆さになったという。
▲オランダ堰堤。関西治水史上、重要な施設だそうな。水キレイ。
▲川を渡ればキャンプ場。向こう岸でファミリーが団らんしてる。
▲戻ってきました、最初の分岐。鎖があった方から戻ってきたことになる。
▲仲良し銅像。着物の子と洋服の子だから日本とオランダのことか?っていうか、なぜそのポーズ?
▲無事に返って来た。約10キロの山行でした。
今回は比較的短めのルートだったけど、それでも十分金勝アルプスを堪能することができた。とくに天狗岩のように見どころがあると充実感もひとしお。さらに足元に変化があって飽きなかったし、景色も良かったし、かと言ってそれほどキツイ山でもないし、金勝アルプスなかなか楽しい!
道幅はせまくて人も多いから走るには適さないけど、お近くにお住まいの方は是非登ってみることをオススメします。ただ、複数人でいかないと岩場でスケール感がわかる写真が撮れないから注意。岩の上で仁王立ちしてる姿を誰かに撮ってもらいたかったなぁ。
次回は金勝寺から阿星山に向かって甲西駅まで行ってみたい。
▲帰りは畑の真ん中を通って駅まで。