12月中旬、やっと冬らしくなって各地で雪が降りだしたこの時期、ついに湖南アルプスを走る時が来たか、と思っていたのでけれど、目的地としていた場所が冬季閉鎖、帰りはそこからバスに乗ろうと思っていたので、残念ながらまたも断念することに。
仕方ないので近所をぺたぺた走ることに落ち着きそうだったけど、この日もGoProを借りて手元にあったので、やはりちょっと違う場所に行こうと思って、やって来たのがここ、三上山。
▲JR野洲駅から望む三上山。登山者が何人かいた。
▲周りに山がないのでひときわ目立つ。
最寄りの野洲駅から登山口までは2キロちょっと。もちろんバスは出ているんだけど、ここは当然走って向かう。
三上山はその目立った姿から、別名「近江富士」と呼ばれており、この近辺ではおなじみだ。
昔、びわこボートのCMで「今日は近江富士が良く見えるから、富士で2ー4やで」みたいなやり取りがあって、その舟券を買った蛭子能収氏が「ホントに来たよ!だからやめられない、びわこボート!」というナレーションをしていた。
当時は何で富士で2ー4なのか疑問に思っていたけど、2をひーふーみーの「ふ」と読ませているんだなと、自分なりに大発見した記憶がある。
ただ、√(ルート)を習った時、√5の覚え方が「富士山麓オウム鳴く」と語呂合わせしていながら、数字が2.2360679だったので大いに混乱した。
そんな思い出深い近江富士こと三上山。
▲登山口手前に神社がある。奥に大きな鳥居がある。
▲がっちりとした山門。なかなかの威厳を感じる。
三上山の麓にはその名も御上(みかみ)神社という神社がある。ご神体は三上山で、かなり古い神社だそうだ。
由緒によると2000年ほど前、三上山に降臨した天皇を祀ってこの地に社殿を作ったのが始まりらしい。ざっくりとした説明だけど。
境内はまあまあの広さだけど、何か見どころがある感じでもなく、そこそこ質素だ。
▲だけど、本殿は国宝だし、他にも重要文化財がいくつもある。
▲こちらが本殿。鎌倉時代のものらしいとのこと。
さて、御上神社を後にして登山口へ向かう。神社の東側には国道が走ってるんだけど、大きな観光トイレもあるし、向いにはローソンもある。
山へ向かう準備をするには最適だ。
この三上山、表登山道と裏登山道というのがある。とりあえず、初チャレンジだから表から登ってみることにした。
▲住宅の間を通ると現れる登山口。ちょっとわかりにくい。
▲前半は階段ゾーンが続く。
▲と思ったら、岩場があったりする。
表登山道は結構急な勾配と岩場があって、残念ながら走れるようなコースではないけれど、手ごろな手強さがありなかなか楽しい。
そして中腹あたりにある割岩は通過必須スポットだ。ちょうど人ひとり分の割れ目と書いてあるけど、僕はリュックを下ろさないと通れなかった。かなり狭い。
よくよく考えたら、ただ狭い場所を通り抜けるだけなんだけど、こういうイベントがあると満足度も高い。
▲岩の説明だけでなく、登山者を応援してくれる優しい看板。
▲これが割岩の割れ目。ホントに人ひとり分。でかい人はきびしそう。
▲本来なら鎖を登って割れ目に入り、さっきの看板に出てくるのが正しいルート。
割岩を過ぎてさらに進むと、いよいよ岩場が多くなる。今日は大丈夫だけど、雨の日とか雪の日とかは危ないな…。
▲両手両足をつかって岩場を上る。
▲こういう看板があると右に行かないと負けた気がするので右に行く。
▲看板の言う通り、急登な上、まあまあの岩場。
黙々と登り続けること約30分、ついに展望台までやって来た。
▲展望台の看板。奥に見える岩付近に社がある。
▲展望台からの眺め。まあまあの景色。
▲鳥居が立っている岩が神様の宿る岩かしらん?
▲頂上付近に祀られたお社。
三上山には近江富士の他にムカデ山という呼び方もあるそうな。その昔、俵藤太(たわらのとうた)という武将が三上山でムカデを退治したことが由来。
このムカデ、三上山を七巻半してたそうだからかなりのデカさだ。ムカデ長老と同じくらいデカいんとちゃうか。
もともとは比良山を住処にしていたそうだから琵琶湖の向こう側ということになる。当時は琵琶湖大橋もなかったわけだから泳いで来たんだね。
ちなみに、俵藤太は藤原 秀郷(ふじわら の ひでさと)のことで、百足退治伝説は平安時代のお話のようだ。
そう思うと三上山はかなり古くから人々の生活に密着していたと思われる。
▲近江富士を知らせる看板もある。432メートル。
さて、今日は三上山まで登って余裕があれば山頂から北へ向かって妙光寺山を経由して下山しようと考えていた。
何かの本でみた地図を写真に撮っていただけなので、これしか情報はないんだけど、ざっくりしたMAPながら、縦走路って書いてあるし、1本道っぽいし、下り基調みたいだし、行けなくはなさそう。
所要時間2時間40分は望むところや!1時間半で下山しちゃるー!とイキがって北へ向かうことにした。
▲これが本に載ってたざっくりMAP。
▲山頂からどんどん下る。結構、登山者とすれ違った。人気あるんだな。
▲右の方に妙光と書いてある。ここまではルート通り。
分岐からは縦走路よろしく、快適にぶいぶい走りながら進んでいく。道は広くないけど走りやすい。
あまり人もいないし、軽めのアップダウンもあったりしてちょっとがんばって走ってみた。そう、まったく疑いもなく快調にとばしていたのだ。
▲中段の道?そんなとこあったっけ?っていうか登山口ってどういうこと?
ただ、途中でなんかちょっとおかしいなという感じはあった。こんな分岐あったっけ?みたいな感じ。
そう思いながらも進んでいくと、どうも下りすぎていることに気が付いた。
そしてタイミング良く前からやって来た地元の人っぽいおじさんに現在位置を聞いてみたところ、
「あんた逆方向やで。もうすぐそこが国道やで。」
とのこと。マジか。どこでどう間違えたのか…分岐までは合っていたはず。道も一本だったから間違えようもないんだけど…
キツネにつままれたような感じはしたけど、おじさんにお礼を言ってそのまま進む。
で、目の前には当然のように登山口が現れた。
▲獣よけの柵がある。向こうに車も止まってる。間違いない、下山した。
▲振り返るとようこそって書いてある。どうやらここが裏登山道のようだ。
終わってみれば、走って下山しただけになってしまった。なんじゃそれ。
今思い返しても腑に落ちないんだけど、山頂から東に向かったつもりが南に行ってたのかなぁ。そんなはずはないと思うんだけどなぁ。低山マジックだぜ。
次回来る時はちゃんとルート確認して妙光寺山経由で下山したい。
▲さらば近江富士。
というわけで、ただ登ってただ下りてきただけの動画を撮ってきたのでとりあえずシェアします。やっぱGoPro欲しいなぁ。