右足の幅がFでした。

サブ6ランナーかく語りき

【比良山系トレイル】武奈ヶ岳に行ってGoPro欲しいと思いました。

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土曜日の昼間、スマホであやしい通販サイトWishをぽけーっと見ていたら、一通のLINEが入る。

「明日、武奈ヶ岳に行くけど、ご一緒どうですか?」

 地元の同級生、T氏からのお誘いだった。この時、翌週末にトレイルの大会を控えていた僕は、明日どこか山へ走りに行こうと思っていたところだった。

そんな時に訪れたお誘いメール。これほどタイミング良いことはないと、すぐにOKの返事をする。

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▲今回のルート。途中でGPSウォッチをOFFにしたまま走ったので、ルートはT氏のものを拝借している。

今回、T氏を含め3名の同行者がいるとのこと。一人は比叡山インターナショナルでもご一緒したN氏だ。

もう一方は初めましてのK氏。聞くところによるとかなりガチな方らしい…。

僕は基本的に独りで走ることが多く、数人で走るという経験はないに等しい。

なかなか予定が合わないというのもあるけど、自分が周りについていけない状況になってしまうことに、かなり不安を抱いているからだ。

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▲今回のスタート地点はイン谷口。ここまでT氏の車で送ってもらった。

今回の同行者は3名ともかなり走力が高く、明らかに自分が一番レベルが低い。正直、不安もあったが、もうこうなったら開き直って大船に乗らせてもらったつもりでついて行く。

船どころか、のっけから車に乗せてもらったわけだが、ルートを含め、K氏がオンラインで登山届を出してくれたりと、おもてなされ感が強めの山行だった。あざーす!

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▲JR比良駅からここまでバスが通っている。朝と夕方のみ。 

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▲我々がスタートするタイミングでちょうどバスが来た。登山者もまあまあいた。 

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▲しばし林道を進むと分岐に差し掛かる。まずは青ガレルートへ。

ここから川沿いをしばらく進むわけだが、今日は思いのほか暑い。蒸し暑い。先日の大雨のせいか足元も荒れているし、いきなり体力を削られる。

汗だくになりつつ沢を渡る。渡った先にあるのが、青ガレと呼ばれるポイントだ。

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▲青ガレ。名前の通りガレている。そこそこ事故が多いそうな。冬は危ないな。

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▲崖登り感がある場所も多い。

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▲岩がデカい。段差が大きいので足が短めの僕にとっては鬼門だ。 (ほっとけ)

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▲さくさく登るK氏とN氏。これがワンゲル部出身者の力か…!

しばらくはガレガレのルートをすすむわけだけど、僕が普段通ってる大文字山比叡山にはこういう場所がないから新鮮ではある。

登ってる感を味わうという意味では楽しいのだけど、とにかく足運びには注意し怪我だけはしないよう気をつける。っていうか、マジキツい!

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▲最初の峠、金糞峠に到着。

「かなくそとうげ」という奇妙な名前の峠だけど、その由来は「かなぐそ(金属を精錬するときに出る残滓)」の様な石が堆積していたことからついたらしい。

そういえば伊吹山の北に金糞岳ってあるけど、あれも同じような由来なのかしらん。

実はこの峠からの景色は「近江八景」のひとつで、歌川(安藤)広重が「比良幕雪」という絵を描いている。

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▲これが「比良幕雪」の浮世絵。写真にとってみると…

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近江八景のはずの風景。凡庸な写真になってしまった。

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▲次に目指すは中峠。

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▲途中の沢で足を冷やして顔を洗う。

実はもうこの時点でかなり大汗をかいている。今回、2.5リットルの水分を持参したけど、最終的にはほとんど飲んでしまった。
ただ、ルート上にいくつも沢があって、都度身体を冷やすことができたので、ホント助かった。

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▲ところどころにある巨木。なかなかの迫力だ。 

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▲看板の通り進む。なんだかんだ結構ルートが入り組んでいる。 

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▲山道はぬかるんでいるところや水が流れているところが多かった。 

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▲ここにも巨木が。 

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▲沢沿いを登っていく。 f:id:iparappa:20200721210341j:plain
▲っていうか、水の流れに入っていく。ワラーチで正解。

今回、僕を含め3人がワラーチだった。この時は唯一シューズのK氏も普段はワラーチを愛用している。

ここまでワラーチ率が高いとなんだかんだでついに市民権を得たんじゃないのー?と思いがちだが、今回すれ違った人でワラーチの人は一人もいなかったからたぶん錯覚だ。

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▲幻想的な風景。いわゆる妖精の森というやつか…。

金糞峠までのガレたルートとは異なり、しばらくはうっそうとした森の中を行く。近くに川が流れていて、先ほどよりは暑さもマシ。

ただ、ルートがちょっとわかりづらく、沢を何度も渡ったり、細いトレイルを進んだり、そんなことを繰り返して中峠に到着した。

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▲金糞峠から約35分、中峠に到着。

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▲極小のセミの抜け殻。ハルゼミという種類らしい。

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▲途中でみつけたヒキガエル。動きがのっそりしていてカワイイ。

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▲急登を行く。見た目より結構キツい。

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▲ワサビ峠に到着。なんでワサビ?

目指す武奈ヶ岳は看板に向かって右ルートなのだけど、左に少し行けば御殿山のピークが踏めるとのことなで足をのばしてみる。

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▲頂上を知らせるものはこれくらいしかなかった。

ここで、別ルートから登って来ていた年配のグループに遭遇する。汗だくの我々を見て、川に入って来たのか!と言っていたので、客観的にもずぶ濡れだったのだろう。

ほぼおばちゃんで構成されたパーティーだったけど、それはもう元気なおばちゃんたちで、こちらもへばってられないなと思わされる。

我々が先に出発したのだけれど、その話声はしばらくの間、後ろから聞こえ続けていた。

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▲あそこに見えるのが武奈ヶ岳山頂!まだ結構あるな、おい!

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▲ワサビ峠を通り過ぎ、いよいよ山頂へ。振り返れば絶景。

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▲この先は稜線をたどって行く。気持ちいい!

ここでT氏がおもむろにGoProを取り出す。スタートからちょくちょく撮影してくれていたのだが、ここはまさにうってつけの場所だ。

実は先日、仕事の関係でアクションカメラを調査したことがあって、現在のところ2強は「GoPro」と「OSMO Action」という結果になった。

「OSMO Action」はドローンなどをつくってる中国メーカーDJIがGoProの対抗馬として世に送り出したカメラだ。上田瑠偉選手もYoutubeの動画で使用している。

画角や色味はGoProに劣るものの、手ぶれ補正はなかなか性能が良いらしい。そして最大の特徴はコストパフォーマンスが良いこと。

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▲トレランのプロモーションビデオでも撮れそうなロケーション!

…といっても、ソフトフラスクの代わりに100均の油さしを使用している貧民トレイルランナーの僕にそれを買う余裕があるわけでもなく。

最終的にあやしい通販サイトWishで1000円程度のおもちゃのようなアクションカメラを買うに至ったのだった。

昨日届いたのだけど、SDカードが付属してなかったのでまだ試してないけど。

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▲やっほい!とテンション高く辿り着いたけど、実はまだ山頂ではない。

上の画像はT氏のGoProで撮影した写真だ。臨場感たっぷり。この時、身体に鞭打って走ったと記憶しているけど、こうして見ると楽しそうやんか!

そういや以前、金勝アルプスに行った時も絶景に立つ自分を撮影することができず残念な思いをしたことがあった。

こうやって誰かに写真や動画を撮ってもらえるって、素直にうれしい。

 

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▲途中、墓碑のようなものが。どうやら武奈ヶ岳で遭難された方らしい。 

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▲山頂までもう少し。っていうか、稜線に出てから結構長いな…

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▲向こうに標識らしきものが見える!ついに山頂か!?

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▲もうちょっとや! 

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▲とうちゃーく!武奈ヶ岳山頂、1214m!久々の1000m越え! 

午後12時、スタートから約2時間30分をかけて山頂に到着した。さすが比良山系最高峰、まわりを見下ろせる景色は最高やで!

心配していた天気も大丈夫で琵琶湖の向こう側まで見通せる。日差しはあるけど、それほど暑いわけでもない。どちらかというと快適。

おっさん4人でひとしきりはしゃぎつつ山頂撮影会をした後、お昼ご飯を食べる。

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▲三角点と思って撮ったけど、本物は別にあったっぽい。

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▲ガスが徐々に上がってきていた。カーテンみたい。山の天気は変わりやすい。 

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▲山頂付近にはトンボの大群が。

頂上付近にはそこそこの登山者がいて、皆思い思いに過ごしている。我々も見晴らしの良いところへ腰を下ろしてそれぞれ腹ごしらえをする。

ちなみに僕は自作自演おにぎりだ。朝からシャケを焼いてきた。というくらい、今回の山行を楽しみにしていた。テンションの高さがおにぎにの具に現れるタイプなのだ。

しばらくは景色を眺めつつ、飛び交うトンボを見つつ一息ついていたのだけど、途中からじっとしていられないくらい小さな羽虫に悩まされることになる。

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▲向こうに琵琶湖が見える。展望最高やないか。天気もいいし!

なんという虫かわからないけど、身体につくと噛まれたようなチクリとした痛みが走るのだ。いわば羽のあるハサミムシ。これがそこそこ痛い。

半袖短パンという山をなめた服装の我々はこの虫の猛攻に悲鳴を上げる。

T氏がリュックを背負った際、背中に激痛が走ったとのことで、良くみるとメッシュ部分にその虫が入り込んでいた。

…まさに無視できない事態だ。

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▲なんだかんだ、山頂の見晴らしも良く風もあって気持ち良かった。

虫との格闘もそこそこに、名残惜しく山頂を後にする。今回、僕の心残りは甘いものを持って来ていなかったということだ。

N氏は甘い系のパンを食べていたし、K氏が抹茶ようかんを持参していたことを僕は見逃していない。

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▲帰りはこちらのルートへ。細川越を経由して下山する。f:id:iparappa:20200721210618j:plain
▲ところどころ標識が落ちてたり見えなかったりで混乱させてくる。

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▲かなり茂った道も通る。登り同様、下りもルートが非常にわかりにくい。 

帰りは細川越えというルートで下山することになった。このあたりはややガレていたり、滑りやすくなっていたりで要注意だ。我々も何度かスリップしながら進む。

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▲このあたりは湿地帯になっているので、木の上を歩く。滑りやすい。 

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▲ブナが群生していた。武奈ヶ岳の由来はこのブナからきているとの説も。 

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▲看板はあるものの、こちらからのルートは非常にわかりづらい。

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▲丸太橋はかなり老朽化しているので沢を渡って向こうへ。

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▲T氏とK氏が何度もルートを確認してくれていた。独りだと無理かも。 

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▲ゴミを持ち帰るのはわかる。でも「お互いにきれいに」って??? 

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▲中腹はこういう幻想的な風景が多くみられる。ガンダルフとか出てきそう。

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▲イブルキのコバに到着!

ちょっと変わった名前の「イブルキのコバ」。山に変な地名はつきものだけど、比良山系にもけっこういろいろある。「クロトノハゲ」とか「ズコノバン」とか。

イブルキのコバ・・・イキってブルった小林さんのことかと思いつつ、由来を調べてみたら「燻った木の木場」、つまり炭焼き用に切った木材の集積地とのことだそうな。

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▲倒れた標識と正面にも看板が落ちている。ほんとわかりにくい。 

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▲このあたりも巨木ゾーン。かっけーな。 

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▲巨木の森を抜けると、開けた場所に出る。

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▲八雲ヶ原の湿原。ピクニック?をしている人もいた。 

ここは高層湿原帯と呼ばれる場所で近畿地方では珍しいそうな。いつも冷たい水がたまっているそうで、水質もキレイだ。

水がキレイなので養分が少ないらしく、植物の育成が極めて遅いのが特徴だ。

そのかわり冷たくてキレイな水を好むアカハライモリが大量に住んでいる。こんなにアカハラを見たのは初めてかも。

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▲よく見るとアカハライモリがたくさん泳いでいる!水キレイ! 

このあたりで標高は約900m。かつて比良山スキー場があって、スキーブームの際は結構な人が訪れていたらしい。

その時に使われていたロープウェイもあったのだけど、2004年に廃業している。

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▲左にはロープウェイ山上駅と書いてある。 

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▲林を抜けると… 

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▲またも開けた場所に出た。 

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▲ここが北比良峠。 さっき看板で見た山上駅があった場所だ。

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▲眼下に広がる近江舞子シティ。向こうに見えるのは沖島かな。 

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▲広い場所に出たら、とりあえずはしゃぐ。 そして無意味に疲れる。

北比良峠は武奈ヶ岳の中腹にあるのだけど、ここはここで見晴らしが良い。眼下に広がるレイクビュー、吹き抜ける風、ここまででも達成感は得られそう。

水上バイクのエンジン音が聞こえる。逆にここから叫べば彼らにも僕の声が聞こえるだろうか。

そんなことを思ったり思わなかったりしながら、引き続き下山する。さっきまで気にならなかったけど、だんだん暑くなってきた。

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▲もはや標識の意味をなしていない。 

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▲淡々と下る。 

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カモシカ台。このあたりで標高690mなんだけど、かなり暑い! また汗だくや。

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▲水の音が聞こえる…! 

カモシカ台からの下りも岩や石が多くて下りにくいルートではある。しかも湿っているので油断ならない。

とはいえ、さすがのメンバー、誰一人怪我をすることなく、大きな問題もなく、すんなりと下ることができた。

そして…お待ちかねのご褒美タイム!

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▲川や!水や! 

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▲流れはきつめ。非常に冷たい! 

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▲とはいえ、流れに横たわる。冷たい! 

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▲流されながらもはしゃぐ。冷たい! 

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▲はしゃぎすぎて頭を岩で強打する。痛い! 

この写真だけ載せると僕しかはしゃいでないようだけど、僕の名誉のために言っておくと、4人ともはしゃいでたんだからね!とくにN氏が!

ここでもT氏のGoProが大活躍。後に動画を見せてもらったらむちゃくちゃ楽しそうなんだよなー。GoPro、水に濡れても大丈夫だし!

なんにせよ、冷たい流れに身を任せ汗と疲れを洗い流す。

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▲最初の分岐に戻ってきましたー。 

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▲さっぱりと下山。 

ひと通り水遊びを堪能し、身体を冷やす。ずっとつかっていたら寒くなった(笑)

そんなおっさん4人、武奈ヶ岳まで行って帰って約5時間半の山行でした。

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▲帰りにみんなでラーメン食べました。激うまやで。

帰宅後、T氏がGoProの映像を編集して登山から下山までを一本の動画にして見せてくれた。

自分のウェアの組み合わせがイケてないのはさておき、見返すとその時のことがいろいろ思い出される。

しばらくはこの動画見ながらお酒飲めるで。

あー、GoPro欲しい!

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