右足の幅がFでした。

サブ6ランナーかく語りき

比叡山縦走計画:山科から比叡平 〜 比叡山 後半

山科から比叡平を経由して比叡山へ行く途中、暗黒地帯と予測していた2か所の地域がある。それが比叡平~山中町、山中町~比叡山区間だ。前回、比叡平からの山道はNHKケーブルのおかげでなんとかクリアすることができ、山中町まで無事たどり着くことができた。しかし山中町から比叡山へ向かい始めた矢先、山の麓で道を見失ってしまう。出発してから約2時間、心を落ち着けるためにもしばし休憩をとる。

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▲とりあえずリフレッシュをチャージしとくか!

今回も持参したアミノバイタル。かさばるけど安いからついつい買ってしまう。とりあえず今日もリュックには3つ入れてきた。でも本当はもっとスマートなジェルを持ち歩きたい。普段、走り始めて1時間経ったら補給するようにし、その後30分毎に何かしら口にするようにしているけど、今回はここまで無補給。あんまり暑くないからか、それほど進んでないからか、たいして動いてないからか、さほど消耗はしていない。

そんな感じで一息ついて、あらためて周りを見渡すとロープが張ってあることに気付く。む!もしや登り補助用のロープか?ということでそこまで登ってみた。近くで見ると色もはげ落ちだいぶ朽ちたロープで、かなり前に使われていたものと思われる。でもロープがあるってことはそこに人がいたということ。じゃあ行けないわけないじゃないか!ということでしばし登ってみる。

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▲分かりにくいけどロープが張られている。

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▲方角的にはこのまま登れば山道へ出れそうだけど。

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▲…ここ登れるのか?

足元は落ち葉と枯枝でむちゃくちゃ荒れてる状態。それだけでも歩きにくいのにさらに急勾配ときてる。でも仕方ないので半ば強引に登っていく。見上げると木々の間から青空が見えた。きっとこの先は尾根になっているのではないか。行ってみないことには始まらないのでとりあえずグイグイ登る。ヒザをつき四つん這いで急な斜面から引き剥がされないよう登っていく。本当は、誰でもちゃんと歩ける道でルートを確保したい。這いつくばって登るコースなんてゴメンだ。でもなにこのファイト!一発!みたいなコース。最近は「ファイト一発」も通じないそうじゃない。いや、ホント、ちゃんとした道を走りたい。

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▲急登の先に青空が見える!尾根かしら。

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▲どうやら人が歩けるような道だ。

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▲地図を確認すると点線の上にいる。

急斜面を登りきったらトレイル(のようなところ)へ出た。おそらくここで間違いない。こういう人が歩ける場所に出たらもちろん安心はするんだけど、ということはですよ、別のルートから登ればちゃんとした道を行けたんじゃないかと思ってしまうわけですよ。歩ける場所に出れた安堵と道なき道を登って無駄な苦労をしたんじゃないかという複雑な気分のまま先を急ぐ。ここのトレイルもかなり荒れているし、さっきみたくケーブルの目印もないし、進めそうなところをちゃんと見定めながら進んでいく。過去、大小含めて結構な回数のルート間違いをしたこともあってか、だいぶハナがきくようになってきた。…ように思う。

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▲どっち行ったらええんや…とりあえず明るい方へ。

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▲倒木♪、枯枝♪、踏み放題~♪

f:id:iparappa:20180321232658j:plain▲どこかわからんけど、何かのテッペンだ!

f:id:iparappa:20180321232714j:plain▲頂上なので、一応、記念撮影をば。

f:id:iparappa:20180321232706j:plain▲振り向くと木々の間から街が見える。京都市内かな。

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▲頂上から下っていく。かなり荒れてるとこも多いけど、こういう走りやすい場所があると安心する。

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▲しばらく進むと左右に道がわかれてる。ここは右へ。

f:id:iparappa:20180321232742j:plain▲何かの標識が立ててある!人がいた跡だ!

f:id:iparappa:20180321232759j:plain▲わからねぇ。防水しやがれ。

f:id:iparappa:20180321232817j:plain▲謎看板の向こうにひとつ谷をはさんで見える山の頂上。あっちへ行きたい。なかなか行けない。

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▲看板の矢印に従い、しばらく尾根っぽいところをいく。

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▲すると標石が現れた。

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▲回り込むと文字が掘られてる!はい、読めませーん。

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▲でも標石があるってことはこの山道で間違いないはず。

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▲しばらくいくと、また標石。誰がいつ何のために埋めたのしらないけど、現代の僕には大いに役立っている。ありがとう、昔の人!

f:id:iparappa:20180321232904j:plain▲突如現れた建造物。こんな山奥に何?

f:id:iparappa:20180321232937j:plain▲建物裏手。横から進めるみたい。

f:id:iparappa:20180321232954j:plain▲茶碗みたいなのが割れてる。こういうの、ホントやめてほしい。

この建物の裏手に到着した時、道が左右に伸びていて一度左側(建物とは逆方向)へ行ってみた。しばらく下って行ったものの、道も明確ではないし不安になって地図を見てみると、どうやら日吉大明神という稲荷神社へ続いている気配がする。以前、京都一周トレイル東山コースにある石鳥居からまっすぐ進んだことがあるのだけれど、どうやらその林道の途中にあった神社で間違いないっぽい。進むべきは記憶にあるコースより見知らぬコース。というわけで建物まで引き返し右側へと進む。

f:id:iparappa:20180321233007j:plain▲ここを登って…

f:id:iparappa:20180321233020j:plain▲舗装路に出る。この建物、一体なんなのかと言うと…

f:id:iparappa:20180321233027j:plainNHK、またお前か!

f:id:iparappa:20180321233034j:plain▲周りを見渡す。大比叡は遥か向こう…

f:id:iparappa:20180321233042j:plain▲舗装路を進むと広い場所に出た。どうやらドライブウェイの駐車場みたい。

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▲これが案内にも出てた一本杉。半分割れてる。半分杉、いやニ分の一本杉か…

f:id:iparappa:20180321233127j:plain▲展望台から琵琶湖を臨む。

比叡山ドライブウェイの途中にある登仙台駐車場、ちょうどロテルド比叡というリゾートホテルのすぐ近くだ。駐車場には京都と滋賀の県境がしるしてあって、夜景スポットとしても有名。目印にもなっている「一本杉」があるのだけれど、いまいちどんな由緒があるのかわからなかった。調べていると一本杉西の城という史跡があるそうだ。信長と対立した浅井、朝倉陣営の城だったと想定されている。

その流れでわかったことだけど、さっき通って来た道は「白鳥越え」と呼ばれる古道だったみたい。なるほど、あの標石はそん時のかな。しかもこのあたりに築城までされてたっていうのだから、さっきの道を当時の武士が行き交っていたのかもしれない。甲冑着てあの山道を行軍してたかと思うと、昔の武士スゲェ。

と、何かと歴史ある京都・滋賀・比叡山ですが、しばし現代に建設されたドライブウェイに沿って進んで行きます。

f:id:iparappa:20180321233209j:plain▲ドライブウェイは歩行者侵入禁止。どうしろと?

f:id:iparappa:20180321233215j:plain▲と思ったら、逆方向に歩行者通路発見。

f:id:iparappa:20180321233228j:plain▲ロテルド比叡の駐車場だ!比叡山インターナショナルの第1エイド!なつかしい!

f:id:iparappa:20180321233235j:plain▲ドライブウェイの料金所。ここを向こうに渡る。

f:id:iparappa:20180321233245j:plain▲ここからは東海自然歩道に入ります。

ドライブウェイを横切り、東海自然歩道へ。とりあえず事前に懸念していたよくわからない地帯は無事に切り抜けた。あとは看板あるし道も整備されているし憂いなく進んでいけるぜ!ちなみに、この時の足裏状況はさほど消耗しているわけでもケガしてるわけでもなく、感覚的には全く問題なかった。ここまではな…

f:id:iparappa:20180321233253j:plain▲出た!延暦寺!おじゃましまーす。

f:id:iparappa:20180321233303j:plain▲トレイルに入ってすぐにあらわれる看板。

f:id:iparappa:20180321233312j:plain▲ここは無動寺方面へ。

f:id:iparappa:20180321233325j:plain▲ドライブウェイの横を走って行く。

f:id:iparappa:20180321233332j:plain▲ドライブウェイをくぐるトンネルを抜けると京都方面の道へ続く。今回は右へ。

f:id:iparappa:20180321233343j:plain▲と思ったらロープが張られてる…イヤな予感。ん?何か落ちてる。

f:id:iparappa:20180321233348j:plain▲マジか。でも落ちてるし効力なくね?というわけでとりあえず進む。

f:id:iparappa:20180321233403j:plain▲山中の鳥居をくぐってさらに進む。こんなとこに誰が作ったんや。

f:id:iparappa:20180321233412j:plain▲さっきまでとは打って変わって厳かな雰囲気。

f:id:iparappa:20180321233418j:plain▲ここが崩落現場か?と、思いきや…

f:id:iparappa:20180321233427j:plain▲ここがそうらしい。補助用の真新しいロープが取り付けられている。

f:id:iparappa:20180321233444j:plain▲崩落現場を越えてしばらく進むと道が二手に分かれてる。

f:id:iparappa:20180321233509j:plain▲右手には鳥居。

f:id:iparappa:20180321233532j:plain▲今回は左手に進む。

しばらく道なりに進んでいくけど、一向に山へ登る気配がみられない。山の斜面をずっと回り込んでいて標高が上がらない。ホントにこっちでいいのか?と思った矢先、左足に刺激痛が!小さなイガグリが足裏に刺さってる!オーマイガッ!油断した!イガグリ、痛いんだよなー。針がショットガンのように数本刺さってる。2ミリ程度の針だけど、そのままにしておくとかなり痛いので丁寧に抜いておく。

f:id:iparappa:20180321233546j:plain▲ここでまさかのイガグリ・トラップ!痛いっちゅーねん!

f:id:iparappa:20180321233554j:plain▲登りたいのに下っていく不安…

f:id:iparappa:20180321233605j:plain▲またロープ。どうやらお寺に着いたっぽい。ちなみにロープに貼り付けられた紙にはさっきと同様「落石通行不可」の文字。

f:id:iparappa:20180321233623j:plain▲よくよく考えたら延暦寺って寺なのにさっきから鳥居ばっかり。

f:id:iparappa:20180321233648j:plain白龍大明神。龍の口から山水が出てる。

比叡山には何度も登ってるけど、こっちに来たのは初めて。「白龍の瀧」といって龍頭の石造から水が流れ落ちている。こういう場所ってなんで厳かな雰囲気なんでしょうね。稲荷山とか志明院に通じる空気が漂っている。正面の祠には不動明王や観音像がいくつも並んでいた。こんな山奥までお参りにくる人は、きっと信心深い人なんだろうな。裸足のおっさんが興味本位で入っちゃ怒られるんだろうな。誰もいなくて良かった。

f:id:iparappa:20180321233717j:plain▲道なりに参道を登っていく。

f:id:iparappa:20180321233729j:plain▲登りきって振り返ると「無動寺 大辯財天堂」の文字。興味深い社がいくつもあった。

f:id:iparappa:20180321233734j:plain▲お坊さんたちが掃除してる。おはようございます。

f:id:iparappa:20180321233802j:plain▲参道途中で2匹の柴犬と遭遇。ちょーかわいい!

f:id:iparappa:20180321233809j:plain▲ついに見えてきたケーブル延暦寺駅

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▲季節的にケーブルも動いているのでお客さんもたくさん来ていた。

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▲駅横の展望台からの眺め。

無動寺の参道を登り、やっとケーブル延暦寺駅へ到着。ここで待望のおにぎり休憩。今回は「おにぎり丸」を使って簡単具だくさん。ちょーうまい。ところで、休憩時には必ず足裏チェックを行っていたわけだけど、ここにきて足裏に異変が。目視したところ、右足は中指付け根に切り傷、母指球に水ぶくれができかけ。左足も中指付け根に擦り傷、小指に小さな血豆、カカトに水ぶくれ。さほど深刻ではないな、もう少し走れるなと思っていたけど、おにぎり食べて10分ほど休憩しているさなか、だんだん足裏が痛くなってくる。

痛いといってもジンジンするっていう程度で走れないことはない感じ。でも無理を押して裸足を続けると大変なことになるのは経験済みだから、ここからは潔くワラーチを履いて下山することに。ここまで裸足で約14キロ。大比叡までは届かなかったけど、結構がんばったと思う。

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▲持参したおにぎり2つを食べる。ペロリといけますな。

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▲さっきくぐってきた無動寺の参道。

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▲帰りはそっちへ進まず、手前を左手に。ケーブル沿いに進む。

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▲足裏が痛くなってきたのでワラーチ装着。

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▲これが比叡山のケーブル。おしゃれ。

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▲しばらくはケーブルを左手に進んでいく。三叉路にでた。

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▲あとは下山するだけだし、紀貫之の墓へ行ってみるか。

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▲予想してたけど質素。しかしなんでまたこんな山の中にお墓つくったのかしらね。

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▲さらに下るとそこそこ大きめの看板。何もないこんなところに何かと思って近寄ってみると…

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▲景観説明版とある。いや、景色見えへんし。

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▲別の道と合流しているところまで出た。

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▲右手から下りて来た。左を登ると無動寺方面へいく。

このあたりで問題発生。下り始めてからは快調に飛ばしていたのだけど、やっぱりどうも足裏が痛い。どんどん着地が辛くなる。ほんのさっきまで大丈夫だったのに、あの休憩をはさんで状況が一変してしまった。ついには歩くのも困難なくらい足裏激痛!結局、下山までの2キロは地獄のような痛みに耐えつつヨチヨチ歩くことに。ときたま母指球などに痛恨のクリーンヒットがあったりして、芽吹きはじめた春の山中で独り悶え苦しむ。あまりの痛さに絆創膏をはってクッションにしてみたけど、もはや釘バットの一撃を布の服を装備して受け止めるがごとし。

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▲キロ20分掛けて下る。トレイルランはダウンヒルだ!なんて言ったのは誰やねん…

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▲最後の鎖をくぐると無事?下山。

今回の裸足比叡山はこれまた足裏の完敗で終了。気をつけながら進んだつもりだったんだけどなぁ。下りに入って遠慮なく地面に足をたたきつけたのが悪かったか。毎度のことだけど足がうっすら腫れている。ちかくに水流があれば冷やすべきだった。とにかくテンションだだ下がりのまま帰宅しました。そして帰宅後、足裏のケアに再び地獄を見るわけだけど、それはまた別のお話。
今回の収穫としては、今のスキルだと山道は10キロ越えると負担が大きいのかもということ。今後はもっと慎重に距離を伸ばしていきたい。それから翌日、翌々日になっても全く筋肉痛がなかった。やはり裸足で走ることで変な筋肉を使わないからかしら。足裏が痛すぎて身体が筋肉痛にまで手が回らなかったという説もあるが…


最後の最後にやっちまった感はあるけど、これで地元の毘沙門堂から比叡山まで何とかつながった。ということは山科から途中峠まで山の中を行けるってこと。距離にしてだいたい40キロくらいか。今年は5月に鯖街道のマラソンも控えてるし、それまでに一度走っておきたい。