右足の幅がFでした。

サブ6ランナーかく語りき

【読クソ完走文】レンタルなんもしない人のなんもしなかった話/レンタルなんもしない人

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女性が一人でポケモンGOをプレイしていると、ナンパめいた感じでよく声を掛けられるらしい。

そうならないよう「レンタルなんもしない人」に来てもらって、ただただ近くにいてもらうという。

そんなニュースをネットで見たのが、僕が「レンタルなんもしない人」を知ったきっかけだ。


なんもしない人は本当になんもしない。ただいるだけ。簡単な作業や受け答えはしてくれるけど、基本的にはなんもしない。

人間でありながら極めて無機質なコンセプトに大変興味そそられるわけだけど、「いるだけ」なんてシチュエーションってそんなにあるか?しかも見ず知らずの人が、である。
…しかし、これがあるんですよね、ニーズ。 

仕事をサボらないよう側で見ていてほしいとか、演劇のひと席が空いたから一緒に来てほしいとか、とりあえず居てほしいとか… 

彼はTwitterを使って依頼を受けるわけだけど、依頼する方もとても手軽な感じがいい。

SNSが普及し、成熟してきたこの時期だからこそ成立する稀有な職業だと思う。


なんもしない人のことを「新手のヒモ」「新手の乞食」「単なる無職」などと罵る人もいるようだけど、自営業としてビジネスを確立している時点ですごいと思う。

僕は長い物には巻かれろ主義なので、身一つで生活を回している人というのは本当にすごいと思っている。
なんもしない人はガッポリ儲けているわけではない。家族が生活できているのは、もしかしたら奥さんが稼いでるのかもしれないし、不労所得があるのかもしれない。

それでも、ひとつのアイデアでこうして世の中のニーズに応えているのだから、それはそれで成功なんだと思う。

もちろん、この職業の将来性などを考えると人ごとながら心配にはなるけれど、今の経験から今後の身の振り方が見つかるかもしれない。

それくらいいろんな経験をされているし、可能性に満ちたお仕事だと思う。


ここ数年、自分の中でテーマになっている「この先、どうやって稼いでいくのか」という命題。

「ほぼ日の経営」の回でも書いたけど、自分の得意なこと、好きなこと、そして世のため人のためになれること、そんな仕事をしたいと思っている。

起業しようとは思っていないけど、長い物に巻かれながら、少なからず楽しく、ストレスなく仕事をしたい。

そういう意味でも、想定外の仕事は受けない、嫌なら途中で帰る、およそ日本のサービス業とはかけ離れた、レンタルなんもしない人のレンタルサービス。

彼の仕事スタイルに何かヒントのようなモノを得た。気がする。


しかし、驚いたのは意外と彼に報酬を渡す人がいるということ。(基本、交通費と必要となった際の飲食代しか請求していない)

応援するような感じでスタバのチケットやアマゾンギフト券を渡す人もいる。

日本人は募金や寄付が苦手と聞くけれど、実はそうではなくて、

「自分の出したものがちゃんと相手に届くこと」

「届いた相手からレスポンスがあること」

こういうことが明確になれば行動に移しやすいのかもしれない。

寄付と言えば、タイガーマスク的なスタイルが美徳と思われがちだけど、ちゃんと感謝してもらえるっていうのは人間の行動原理のひとつだと思う。

誰かに喜んでもらえる仕事がやりたいなぁ。