右足の幅がFでした。

サブ6ランナーかく語りき

【読クソ完走文】しょぼい起業で生きていく / えらいてんちょう

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最近、自分の中でテーマになっている「今後の人生と仕事」について。

まだまだ納得いく答えが出る気配はないけれど、いつどこでどうなるかわからないので、アンテナは張るようにしている。

そんな中、先日ブログに書いた「レンタルなんもしない人」の本に出て来たのが、本書、「しょぼい起業で生きていく」だ。

タイトルから誤解する人もいるかもしれないけれど決して、楽して儲けよう!うぇい!という内容ではない。

しょぼくてもしょぼいなりに充実した人生が送れるよ。という内容だ。

 

著者であるえらいてんちょう氏は会社勤めに違和感を持ち、それを継続することができないと自覚する。

会社勤めどころか、毎日決まった時間に起きること、上司や客に怒られること、残業があることなど、そういったことがインポッシブルだという。

その結果、生み出されたのがしょぼい起業なのだ。

ものすごく乱暴に要約すると、「やりたいことをやって贅沢はできなくても豊かにノンストレスに生きていく」ということ。

しかし、ポイントはちゃんと仕事をしているというところだ。

本書は、これまで働く上で常識と思われていたことや儲けの定石というものをとっぱらって、ある意味、日本の労働に対するアンチテーゼを打ち立てた内容ともいえる。

 

以前に紹介した「自作の小屋で暮らそう」は仕事観に言及していなかった。ミニマリストを紹介した時もそうだ。

彼らは自身の生活を成立させるため、仕事は最低限にし経済的よりも精神的な豊かさを選んでいる。

えらいてんちょう氏も精神衛生的な主張ではあるけれど、仕事に関連する周囲との関わりやコミュニティの形成など、社会性を持っているのが特徴だ。

独り黙々とするわけでもなく、ひきこもるわけでもなく、あくまで起業をシンプルに行っているところに才能を感じるし、純粋にすごいと思う。

 

ひとつ、本書で印象に残ったエピソードがある。それは「しょぼい喫茶店」を開業した時の話だ。

お店のコンセプトに共感したある女性が、そこで働きたいと申し出る。その時に彼女が言った言葉が、

「ちっぽけでいいから死にたい死にたいと思わない日々を送れる仕事をしたい」

というものだった。今の時世を表した言葉だと思った。

儲ける儲けないは別として、こういった若者がスポイルされず就業できる社会は絶対に必要だと思う。

 

僕は毎朝同じ時間に起きることは苦にならないし、会社で務めることにも大きな不満はない。長い物には巻かれたい主義だ。

いや、むしろ今の仕事は楽しいし、やりがいも感じるし、著者とはスタート時からベクトルが異なっている。

とはいえ、著者の考え方には共感できるし、自分でも何かできることがあるんじゃないかと思うことができた。

 

平成、令和を生きる若者にフィットするような(気がする)働き方だけど、ロストジェネレーション世代の僕も勇気をもらうことができた(気がする)。

あー、楽して稼ぎてぇ。