右足の幅がFでした。

サブ6ランナーかく語りき

【読クソ完走文】論理的思考力を鍛える33の思考実験/北村 良子

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僕はクイズが苦手だ。答えられなかった時の敗北感ときたら!自分の至らなさをまざまざと突き付けられるようでならない。しかも出題者は必ずしも自分で問題を考えたわけではなく、クイズ制作者の考えを代弁してるだけ。にもかかわらず!相手が答えられないとニヤニヤしながら精神的マウントポジションをとってくるのだから手に負えない。まさに人の褌で相撲を取っているとはこのことだ。僕は思う。どうすれば相撲で人の褌を取れるかを考えた方がずっと楽しいんじゃないかと!

端的に言うと、 クイズやなぞなぞは「知っているか知らないか」である。知っていれば答えられるし知らなければ答えられない。当然といえば当然だけど、これってとても大切なことだと思う。

詰め込み教育は良くないということでゆとり教育が生まれたわけだけど、日本の学力試験が暗記に依存している以上、詰め込みは最も有効な手段であるのは間違いない。実際、大学受験までは国語も数学も英語もすべて暗記教科だと思ってる。覚えるためには反復が必要。反復には時間が必要。つまり詰め込むしかないのである。

前置きが長くなったけど、本書の話。タイトル通り、論理的思考力を鍛える33個の問題が紹介されている。

ところで!論理的思考とは何ぞや?ということから考えていきたい。いろいろ定義はあるけど、僕が思うに「計算や組み合わせ、過去のデータを元に答えを導き出す考え方」であろう。本書に登場する「モンティ・ホール問題」、「エレベーターの男女」、「ありえない計算」などは代表的な問題といえる。

他にもいくつか問題が掲載されているのだけど、あまりネタがないのかひとつの問題に対するバリエーションやなぞなぞレベルのものが目立った。僕が求めていたものと本書の内容が不一致だっただけであるが、正直なところ首をかしげる内容も多かったし、このあたりが机上の限界なのかもしれない。

先日『クレイジージャーニー』に登場した「物語を旅する男」髙橋大輔氏。ちょうど浦島太郎のルーツを探る旅を紹介していたのだが、彼の調査方法がすごい。とくに亀のくだり。生息地域、年代から該当する種類の亀を割り当て、その亀にGPSを取り付け海に離して行方を追跡することで竜宮城の場所を探そうと試みたのだ。常軌を逸していると言えばそれまでだが、これは立派な論理的思考である。「竜宮城の場所を推測せよ」という問題があれば、これはこれで面白い。空想科学読本みたいやな。

結局のところ、いくら考えをこねくり回して方法を思い付いても、それだけだと屁理屈野郎になってしまうのが関の山。髙橋氏がすごいのは、それを実行に踏みきった行動力だと思う。「思考力」と「行動力」、どちらが優れているとかという話ではないけれど、人を納得させるには行動と結果が必要だし、どう動くか何をするかは思考に依存しているわけで、そういう意味では常日頃から"思考実験"の習慣や環境があることが望ましいのだと思う。

そういえば先日、どうしてもバレンタインにチョコが欲しい長男が「ホワイトデーのお返し、買っといたからな!」と妹たちに宣言するというまさかのカウンターに出た。論理的思考とは言い難いけど、求める結果を得るため何かを考えて行動に出たところは評価できる。そんなに欲しいか、チョコ。お父さんは欲しい。