【琵琶湖一周ジョブトリップ計画】マキノ 〜 堅田
前回、近江塩津駅からマキノ駅まで奥琵琶湖を抜けて来たわけだけど、今回はその続き、マキノからスタートする。
ゴールの浜大津までは70キロ弱、今日中ゴールもワンチャンあるかもと、うっすら考えていたので、できれば朝早くスタートしたかった。
ただ、琵琶湖の西を走るJR湖西線は本数が少なく、マキノ駅へのアクセスは良いとは言えない。結局走り出すのはちょっぴり遅めの8時50分。
そんなわけで、まずは駅から東へ、琵琶湖に向かって進む。
▲浜辺にはたくさんのカヤックが。この後、学生が体験にやって来た。
▲北に見えるのが奥琵琶湖。前回走った湖岸が見える。
今日は非常に天気がいい。気温も高すぎず低すぎずでジョグトリップ日和だ。
前回の反省を踏まえて、今回はジェルを4つとおにぎり2つを持ってきた。水分も1リットルほど積んでいる。
ただ、体調がいまいち…とまではいかないまでも絶好調ではない。なんでだろうな。日々の疲れがたまっていたのか。
そんなわけで、のっけからキロ7分に近いペースでぼちぼち走り出す。結果、長距離走る僕にはちょうど良かったのかもしれない。
▲琵琶湖へ流れる河川。今回はこういう風景を何度もみることになる。
▲突如現れた御影石の金太郎像。
▲しばらくこんな感じの道をひた走る。
マキノ周辺の湖岸には5キロにわたって松林が広がっている。その数約2千本なのだとか。
もともと防風林として明治末期に植えられたそうなのだけど、昨今では琵琶湖の湖岸風景としてすっかり定着している。
▲こんな感じで黒松が続いている。
▲さよならマキノ町。
▲お、なんか堤防がある。とりあえず行ってみる。
▲堤防の先っちょから。今日はすがすがしいぜ。
この辺りは右手に住宅があるとは言え、お店もなければ車もまばら。一言でいうと田舎道だ。
▲湖岸沿いから国道へ出るけど、このまま歩道をまっすぐ進む。
▲正面に見えるのが竹生島。そして後ろにそびえているのが伊吹山。
以前、大内 征氏著書の「低山手帖」を紹介した時にも書いたけど、伊吹山が金糞岳と高さ比べをして、負けた伊吹山が怒って金糞岳の頭を吹き飛ばしてしまい、その頭が琵琶湖に着水して竹生島になったと言われている。
僕の中ではラオウが虎の首を吹っ飛ばしたイメージと重なるんだけど、負けてキレる伊吹山、スタン・ハンセンみたいだな。
そんな両者が直線状に並んでいたので思わず写真を撮ってしまった。
▲こんな感じで自転車のコースもわけられている。僕はもちろん低速コース。
さて、ここからは今津町になるんだけど、しばらくは集落の中を通っていく。
やっぱりこの辺りも昔の港町で、古い街並みが続く。今津・海津・塩津の三港の中でも京都に近かったこともあって、今津港は船舶の発着が多かったらしい。
▲趣のある家屋が多い今津町。今は非常にのどかな集落になっている。
▲江戸時代からある住吉神社。
▲すぐ近くにはニ神合祭の日枝神社(ひえじんじゃ)と大水別神社(おおみくまりじんじゃ)がある。
そんな集落を抜けて風車街道に合流し、さらに南下していく。
▲左手には相変わらず琵琶湖がすばらしい。
▲途中、変な神社を発見。いや、鳥居はあるけど神社じゃないな…
▲石が二つ置かれている。
この石は「二ツ石」というらしい。沖合百メートルのところに同じくらいの石が二つあり、渇水の時に現れるとのこと。
当然、普段は見えないから、湖底の石に代わってここに石が二つ置かれているんだけど、ま、早い話がレプリカ。
唐招提寺に行った時に鑑真の像を見たけど、そういやあれもレプリカだったな。
▲それより二ツ石の説明版の場所が攻めた場所に設置されてた。読みにくい。
▲風車街道から湖側に外れてさざ波サイクリングロードを行く。
▲お!いい感じ。琵琶湖との距離感が近い。
▲ご神体竹生島を拝む場所。
このあたりにも港があったらしく、木津(こうつ)港と呼ばれていた。奈良時代にはその存在が記録されているらしく、江戸時代には湖上交通の要所だったそう。
上の竹生島遥拝所から賽銭を投げて拝む風習があったそうで、いまでもこのあたりの湖岸から古銭が見つかるらしい。トレジャーハンティングやで。
▲木津港跡ってあるけど、ぜんぜん港感がない。
▲と思ったら、湖の方にそれらしき建物があった。
▲浜辺の道を進んでいく。
▲前回走った奥琵琶湖パークウェイが見える。写真では良くわからないけど。
▲さざ波サイクリングロードの終点にある水鳥観察センター。
▲国道から離れて静かな道を行く。湖岸道路っぽい。
▲こんな感じでところどころにキャンプ場がある。人が多かった。
▲湖の東側の風景に似てる。
▲え、何?温泉付き?しかも375万て!
▲突然現れた藤本太郎兵衛。誰?
▲治水の先覚者との紹介文がある。
この藤本太郎兵衛さん、水害の多かった琵琶湖を治水整備し周辺住民の生活を守った人。
江戸時代、幕府と交渉し、近隣177の村をまとめあげて治水工事を行ったそうだ。
だけど、それだけではうまく行かず、結局初代太郎兵衛から三代目太郎兵衛まで、この事業は継続することになる。
ジョジョで言ったらエジプトまで行ってしまうよ?それくらい壮大なお話。
クライマックスは「天保の御救大浚え(おすくいおおさらえ)」という大事業を成功させて大団円。映画一本作れるで、いやマジで。
▲像になっている太郎兵衛が何代目なのかはわからない。
そんな太郎兵衛を後にし、走り続ける。
▲風車村みたいなのがあった。たぶん風車街道の由来はここから。
▲琵琶湖と反対側は気持ちいいくらい何もない道が伸びている。
▲安曇川に到達。約17キロ、ちょうどスタートして2時間くらいかな。
▲しばらく行くと「びわ湖こどもの国」への標識が。
今回、寄ってみたかったのがこの「びわ湖こどもの国」という施設。コンセプトは「大型児童館」、まさにこどもの国なのだ。
▲県立なので営利目的ではない。
▲広場に遊具に、こどもたちは一日中楽しむことができる。
バーベキューや海水浴はもちろん、キャンプすることもできるし、ピザ窯まである素敵な場所なのだ。
そんなこどもの国にあって、ひときわ異彩を放つ遊具がこちら、「フリーフォールすべり台」!
▲こども殺しのフリーフォールすべり台。
▲その角度たるやほぼ垂直!向こうに見えるのが普通のすべり台。
▲すべり台というより発射台のような形相。
あわよくばチャレンジしようと寄ってみたのだけど、思いのほか家族連れが多くにぎわっていたこともあり、なかなかタイミングが難しい。
フリーフォールは誰もやってなかったけど、となりのチューブ状すべり台は大人気で、常に誰かがいる状態。
今やらなければ後悔するぞ、こんなところもう二度と来ないかもしれないぞ、ともうひとりの自分が後押ししてくる。
「あれ〜、ウチの子はどこいった〜?」感をかもし出しながらしばらくうろちょろしながら葛藤していたんだけど、結局トライせずに立ち去った。
所詮、僕も人の子。まわりの目線に耐えられなかった…。
▲己の不甲斐なさを振り切るように走り続ける。
▲このあたりだって何もない。
▲田んぼを貫く川、あぜ道、向こうに山。
▲高島市高島へ到着。25キロくらい。そろそろ休憩したい。
▲良さげな東屋を発見したので、ここいらでちょっと休憩する。
▲今日はおにぎりを持ってきた。アルミホイルがくっついて食べにくかった。
▲国道161へ。大津に向かって走る。
▲国道の橋の上から。すぐとなりを車がビュンビュン行くのでちょっと怖い。
▲国道から歩道へ。下に降りたい。
▲と思ったら階段発見。ラッキー。
▲水辺で写真を撮ったけど、このあたり水が汚い。
▲しばし琵琶湖の近くを走る。水が近いと気持ちいいな。
▲狂犬がいる。
▲なんか沖の方が黒くなってるので何かと見てみると鳥が集まってた。
▲拡大するとこんな感じ。魚の群れでもいたのかな。
▲お!ついに見えてきた湖に立つ鳥居!
▲琵琶湖の映えスポット、白髭神社。
近江の厳島と呼ばれる白髭神社。湖中大鳥居は滋賀県を通ったことがある人には有名だ。
湖西を車で通るならこの道しかないから、僕も子供のころから何度も見てきた。
ただ、実際に訪れるのは初めてで、実は今回ちょっと楽しみにしていたところがある。
▲鳥居の近くの浜はすごくキレイ。
▲水も透き通ってるし、砂も柔らかい。足が埋まる。
▲サンダル短パンの利点を活かし肉薄する。
本殿は国道の西側にあるため国道を渡らないといけない。しかしここの道路は意外と交通量が多いので渡るのが難しい。信号もないし。
というわけで、お目当ての大鳥居は見れたので境内には行かずスルーする。
▲向こう側は結構人が多かった。
▲歩道は向こう側だけど渡る場所がないので国道沿いの側道を走る。
▲湖西の湖岸には遊泳所が多い。
▲向こうに沖島が見える。
ここの小松浜水泳場、キャンプ場も兼ねていて、高校の時に地元の友達とキャンプに来たことがある。
夜中に暴風雨に見舞われて、午前3時ごろ雨漏りするテントが飛んでいかないようにみんなで死守した記憶がある。
そして早朝から水を吸って5倍くらいに重くなった寝袋をしぼって干すという作業をしていたんだけど、それを横目にゆったりコーヒーを飲んでるやつがいたりする。
こういう時の行動で合う合わないみたいなのが見えてくるのはアウトドアの醍醐味だったりする。(するのか?)
▲鮎を初めて食べたのはいつだっけか。
▲向こうに見えるのは武奈ヶ岳ではないだろうか。
現時点でスタートから5時間、ぼちぼち休憩したい。そして何か飲みたい。手持ちの水も残りわずかなので、自販機を探して休める場所を探す。
▲そんな時に現れた月見浜。景色も良さげ。
▲自販機を3つ見つけたけど、どれも休止中…。なんでやねん。
▲今回は戦略的補給と休憩が功を奏した。
▲近江舞子駅に到着。35キロくらい。
▲このあたりから足がちょっと重くなってくる。
休憩はしたものの、さすがに疲れが出てきた。でも前回とは違い、「30キロの壁」が遅れてやってきた感じ。
こういう時にランニングフォームを意識し直すと、疲れでかなり乱れてきているのがよくわかる。
上体を起こして、腰を前に出す。身体の真下で着地するようにすると楽に走れるような気がするんだけど、いつのまにか姿勢が悪くなってるんだよな。
っていうか、楽に走れるはずなんだけど身体には楽じゃないのかしらん。
▲JR比良駅。
▲駅前はこんな感じ。何もねぇ。
▲田んぼを臨みながら走る。向こうに自転車が走ってる。
▲高架下に沿って走ってたら変なところに出てきた。せま。
▲走ってたら虫がいた。何このカラフルな虫。
▲JR志賀駅に到着。ちょっと休憩。
そろそろ水分もなくなってきたので、駅で補給する。駅なら間違いなく自販機動いてるしな。
41キロ地点、コーラと水を買って休憩する。今の身体の状態を見るに、たぶんこれが最後の休憩だ。後は気力と体力と駅の場所を考えながらゴール地点を設定する。
前回ほど足に痛みもないし、気持ち的にも元気は元気だ。ただ足が売り切れ直前なのは何となくわかる。
そういや今回はスロースタートだったし、走ったのもほぼ平坦だし、そういう条件だとフルの距離ならなんとか行けるんだなと確認できたのでちょっと自信を取り戻した。
途中、かなり休憩してるけど。
▲コーラを補給。15分ほどゆっくり休憩した。
▲相変わらずバス釣りの人が多い。
▲このあたりもまだまだのどか。
▲国道に合流する。
▲船着き場には釣り人が多かった。
最後の休憩を取ったはずが、やっぱり足の疲労がハンパないということで、もう一度休憩することにした。
こうやってブログ書いているときはそんなにしんどかったかなぁと思うんだけど、たぶんこの時は限界だったんだろうな。
とりあえず膝を冷やせば何とかなると思っているので琵琶湖へ入って回復する。
▲陽が傾き始めた湖岸。朝の景色からずいぶん変化した。
▲足を冷やしたいので水に入ったけど、むちゃくちゃ濁ってる。
▲もうひとつ残っていたおにぎりを食べて元気出す。
ログを見直すと42キロ以降のキロペースが8〜9分になっていたので、もはや速歩きレベル。
実際にはゆっくり走って、ちょっと歩いてを繰り返す感じだった。
▲和邇川を渡る。この先になつかしの途中峠がある。
▲こんな感じの住宅街を抜けていく。
▲ここまでくるとただの生活道路。
▲再び国道に合流する。
▲JR小野駅。ゴールはあと一駅先。
▲マクドナルドまで900メートルということは、駅まではあと1キロちょいだ。
▲堅田、琵琶湖大橋へ向かう交差点。正面にさっきのマクドナルドが見える。
▲ビワイチゴールの浜大津までは残り14キロ。
かなりフラフラでここまで来たはずなんだけど、最終ゴールまであと14キロかと思ったら行ってしまおうかと思えるくらい気力はまだ残っていた。
ただ、冷静に考えて着く頃には暗くなってるし、ほぼ歩く感じでゴールするのも不本意だし、実際のところいつ足がダメになるかもわからない。
というわけで、予定通り次の堅田駅で今回はフィニッシュとする。
▲見えてきた駅舎。
▲今回のゴール地点、JR堅田駅。
マキノ駅から約52キロ、スタートから7時間40分で終了。結局、なんだかんだで52キロはセルフランの最長記録。時間は掛かったけど、ダメージは少なかった。
▲マップ的には結構走ったように思える。
今回は見どころが少なくて、どちらかというと走ることに重きをおいたわけだけど、気候も良かったし総じて楽しく走ることができた。
さて次回、あまり感動しない琵琶湖一周ジョグトリップ計画、最後の走り!