バビロンという響きにはアトランティスやムー大陸のような神秘的な響きがある。
しかしこれら2つと異なるのは、バビロンは実在を立証されているということだ。
バビロンは古代メソポタミアの都市のひとつで、そこから王朝へ発展し「目には目を」でおなじみハンムラビ王の時にメソポタミアを統一した。
有名なのは「バビロンの空中庭園」だ。これは世界の七不思議として数えらえている。
もうひとつはご存じ「バベルの塔」。こちらは聖書に書かれた神話的な解釈が強いけれど、バビロンの聖塔がモデルとも言われている。
▲ブリューゲルが描いたバベルの塔。1階部分、左の工事中のあたりにノグソしている人がいる。
ちなみに「バビル2世」に登場する砂の嵐にかくされたあの塔は、バベルの塔をモチーフにしているとかしていないとか。
主人公バビル2世の拠点であるバビルの塔は超高性能コンピュータが管理していて、超常現象まがいの「三つのしもべ」が登場する。
なんとそれと関連するかのように(いや、関係ない)、実際のバビロンにも超古代文明があったと言われているのだ。
イラクの独裁者、サダム・フセインは古代都市バビロンの復元事業を積極的に行っていた。
しかし、その本当の目的はバビロンの失われた文明、オーパーツの獲得だったという。
エジプト文明やメソポタミア文明を興したのはアヌンナキという異星人で、実はバビロンの興隆もアヌンナキが関連していると考えられている。
2003年に勃発したイラク戦争では米軍が遺跡から古文書や遺物を持ち帰ったという噂があるらしい。
実のところこの戦争はアメリカとイラクのオーパーツを巡る争いだったのかもしれない。…というのはムー編集部の見解である。
▲惑星ニビルから来たといわれる神々の集団、アヌンナキ。
のっけからノリノリで訳の分からないことを書いてしまったけど、本書のはなし。
副題は「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則というもの。つまり、超古代都市バビロンから伝わるお金儲けの話なのだ。
そういうだけでも、かなり神秘的、摩訶不思議、秒速で1億円稼げる的なものかと思えるけれど、実のところかなり堅実なことを言っている。
物語序盤に「黄金に愛される七つ道具」ということでお金を増やす7か条が提示される。
それを知った主人公が、この七つ道具を実践しながら旅をするのだけれど、その中で出会うのが「五つの黄金法則」というわけだ。
正直なところ、マンガとしてみた場合、ストーリー展開にやや不満がある。…これは個人の感想だからひとそれぞれだけど。
しかし、主題であるバビロンから語り継がれる「人類不変の知恵」については、非常にわかりやすく説明されていると思う。これぞマンガパワー。
チャップリンが「人生に必要なものは、勇気と想像力。それと、ほんの少しのお金です。」と言ったように、人生にお金は必要だ。
だけど金儲けだけに傾倒すると、人はおそらく不幸になる。
幸せになりつつ、結果お金を儲けることができれば、きっとそれがベストだ。
「五つの法則」「七つの道具」を知っていればそれに近づくことができるのかも知れない。
僕もできることならもう少し早い時期にこの本を読んでおきたかった。
とか言いながら、やっぱ一番気に入ってるのは「三つのしもべ」だな。
▲ロデムは女性の姿がいい。