【神と仏の長距離走】稲住神社〜梅林寺〜円光寺
鴨川で繁殖している外来植物、オオバナミズキンバイの駆除が行われたこの日、安倍晴明ゆかりの神社とお寺へ行くことにした。
晴明神社へは以前いったことがあるけれど、晴明ゆかりの神社仏閣は京都にいくつか存在する。
そんなわけで、今回は京都タワーからスタート。8月某日、まだまだ暑い日が続く快晴の長距離日和だ。
まずは京都駅前を西へ進む。堀川通りという大きな通りに掛かる歩道橋を渡ってさらに西へ。
しばらくして見えてくるのが「梅小路公園」。
▲市民憩いの場所、京都梅小路公園。
▲公園内には京都水族館がある。夏休み終了間近ということもあり子供連れが多かった。
▲イベントなどが行われる芝生広場。天気良いし気持ちいい!
▲迷わず裸足に。伸びた芝生が足を包み込む。フワフワやで。
梅小路公園はもともとJR貨物の駅の跡地に作られている。僕が子供の頃は「梅小路蒸気機関車館」というものがあり、機関車をいくつも見ることができた。
とくに野外の扇形庫と転車台は電車好きでなくてもテンション上がる設備。
現在は改装されて「京都鉄道博物館」としてリニューアルしている。これがまた結構な人気で、この日も長蛇の列ができていた。
▲電車好きのメッカ、京都鉄道博物館。
そんな梅小路公園を北側から抜け七条通りへ出る。そこからさらに西へ。商店街を通り抜けながら走っていると角に肉屋が見えてくるので、そこを南へ下る。
▲七条御前通りにある肉屋。この角を左(南)へ。
▲すぐ右手に松尾大社の御旅所があるけど、今回はスルー。
そのまま御前通りを真っ直ぐ進んでいくと、何のヘンテツもない道が続いている。
用事がなければ通らない道だ。そんな場所に今回の目的地がある。
稲住神社
▲右手にあるこの細い路地を進んでいくと…
▲ありました、稲住神社!ひっそりしすぎやろ…。
ここ稲住神社は安倍晴明を祭神として崇める神社。彼の子孫である土御門家(つちみかどけ)の屋敷があった場所になる。
土御門家は代々、陰陽師として朝廷に仕えた公家だ。天皇即位の際に祈祷する「天曹地府祭」を行ったり、征夷大将軍宣下の儀式の時にも祈祷を行った。
明治天皇以降、この儀式も行われてないようなので、今年の令和天皇即位の儀でも出番ないんだろうな。
▲境内には2つのお社がある。
▲手前の社には「魔王尊」の文字が書かれた提灯が。
この魔王尊、言わずと知れた鞍馬寺の護法魔王尊のこと。650万年前、金星からやって来たアイツだ。
なぜお寺に祀られてる魔王が神社であるこの場所にも祀られているのか良くわからないけれども、何か陰陽道と関係あるのかしらね。
▲こちらが本殿。普通に民家に囲まれている。
▲本殿の手前にあったストーンサークル。場所が場所だけに意味ありげ。
▲境内の済にあった焼き物群。こっちは意味なさげ。
梅林寺 ~ 円光寺
▲稲住神社から路地を出ると目の前に大きなお寺がある。ここが梅林寺。
梅林寺には先ほどの土御門家先祖代々のお墓がある。ちなみに土御門家は現在も存続しているらしい。らしい、というのは当のご本人に連絡が取れないからだ。
▲道路に面したところにお堂がある。
実は以前の陰陽道ブームの際、一部のマニア(?) が土御門家の墓碑を削り取ったり、墓前で勝手に集会を開いたりと迷惑行為を行ったらしい。
見るに見かねたお寺の方がやむなく非公開にしたという経緯がある。
ポケモンGOの問題もそうだけど、私有地に勝手に侵入したらダメ、絶対。
▲うーん、身に染みるお言葉。そして後ろの黒板には「観光・見学等は前もって連絡をお願いします」の注意書き。
梅林寺を後にし、もう少し南に下ると右手に見えてくるのが円光寺だ。
ここ円光寺には江戸時代の天文学者、渋川春海が設計、使用した「渾天儀(こんてんぎ)」の土台が残ってるという。
渾天儀というのはいわゆる天球儀で、天体観測に使用する模型のこと。
円光寺も土御門家の屋敷跡にあり、当時の陰陽師、土御門泰福と渋川春海が一緒に天体観測していたそうだ。
▲円光寺の蔵の壁。カッコイイ。
しかし、残念ながらここ円光寺も非公開。遠巻きに境内を見れただけで渾天儀の土台は見ることが出来なかった。
今回、訪れた2箇所が非公開ということで、空振り感ハンパない。あまり事前調査とかしないからそういう時もあるよね。
どこか他に紹介できるところはないかと考えたけど、最初に寄った梅小路公園が快適だったので、結局そこへ戻ることにした。
▲戻ってきました、梅小路。
▲スプリンクラーの水が気持ちいい!
公園で着替えてコーラを飲んで一息つく。芝生広場に腰を下ろしてしばしたたずんだ。
向こうの方でイルカショーを見ている人の歓声が聞こえる。
走った後にぽけーっとするのは最高だな。暑いけど。
今回は14キロ、収穫少ない長距離走でした。