右足の幅がFでした。

サブ6ランナーかく語りき

【読クソ完走文】日本進化論 / 落合陽一

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4月になって新入社員が入って来た。ということは、僕の勤続年数も増えたわけで、また社内の先輩度がひとつアップしたわけだ。

そんなことに何の意味もないことは承知の上だけど、年功序列を重んじる日本社会では、先輩の意見が後輩にとって無視できないものであるのも間違いない。

僕の何気ないひと言が、彼らにとっては振り下ろされたハンマーのごとく感じられることもあるかもしれない。

老害」という言葉がある。自分はゆめゆめそうなるまい!…と思ってはいるけれど自覚がないから「害」なわけで、おのれの言動には本当に気をつけたいところ。

じゃあ、何を気をつけたらいいのか?そのヒントを本書に見つけることができた。

 

日本は今、世界が経験したことのない少子高齢化社会を迎えようとしている。さまざまな社会問題を抱え、もしかすると日本が経験する最大のピンチかもしれない。

ただ、このピンチの時期にこそ進化の道がある、と著者・落合氏は言う。そのひとつとして紹介しているのが、小泉進次郎氏が提唱する「ポリテック」である。

これは政治(Politics)とテクノロジーを組み合わせた造語だ。…うーん、字面的に洗浄剤とか何かの中毒者のような印象を受けるのがちょっと気になる。(僕だけ?)

それは置いといて、意味合いとしては「さまざまな問題を技術の力で解決しよう」というもの。

今の日本は社会に浸透したテクノロジーという点でかなり出遅れていると思う。

例えば電子マネー。現在、かなり多くの種類があって、どこで何が使えて何が使えないのかよくわからない。そもそもどれくらいの人が利用しているのかもよくわからない。

そういった状況を行政が政策として整備し、キャッシュレス化を進めればより安全便利に決済をすることができると思う。

新紙幣製造に力を入れるのも良いけれど、地方でも不便を感じることなく電子マネーが使えるよう行政が整備するのも必要かもしれない。

 

他にも、既存のシステムをテクノロジーを使って利便性を上げ、効率化できることはあるだろう。

もちろんすべてとは言わないし、アナログ的なものの方が良いこともある。

ただ、そういった意見が出た時に異論を唱え、大きな力を振りかざすのが僕の考える「老害」なのだ。

残念ながら時代は猛スピードで進んでいる。同じスピードで自分の考え、行動を適応させていくのは至難の業だ。

ついていけないのであれば、そこは素直に受け入れ、若い世代や新しい人材に任せていけばいいのだと思う。

昔の方法は今の世の中で通じないから「昔の方法」なわけで、そう思うと何十年も前からほとんど変わらない義務教育課程には戦慄する。

「世界大学ランキング2019」では東京大学が42位、京都大学が65位。100位以内にはこの2校しかランクインしていないのが日本教育の現状だ。

 

日本は伝統を重んじ、物事を慎重に丁寧に進める傾向がある。それは素晴らしい。その逆に大きな変化や革新を敬遠する傾向があるのも否めない。

高度経済成長を経てバブル期で経済の絶頂を迎えた日本だけど、どうもそのあたりの「日本すごいぞ神話」が払拭できず、まだ大丈夫と思われているフシがある。

氷河期真っ只中をもがき苦しんだ僕ら世代からすると、上の世代が保身を図るために当時のシステムを変化させていないだけなんじゃあないか、などと邪推してしまう。

2020年の東京オリンピックで世界中の人が日本を訪れる。その時、おのずと日本の「遅れ」が露呈するだろう。

…街中にWiFiがないとか、WiFiがおそいとか、WiFiがつながらないとかとか。

日本賛歌的な内容も悪くはないけど、そういった日本悪な部分にもしっかり目を向けるべきだ。

そして客観的に出た問題点を、ポリテックで解決していく。それが日本進化の糸口になると本書は語る。

とりあえず、「老いては子に従え」の精神で、僕の仕事は若い世代にお任せしたいと思います。