右足の幅がFでした。

サブ6ランナーかく語りき

【神と仏の長距離走】市比賣神社 ~ 蓮光寺 ~ 若一神社

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寒の戻りとやらで2、3日ものすごい寒い日があったけれど、週末のこの日は天気も良くて暖かく、まさに春って感じの一日だった。

ちょうど我が家の爬虫類たちのため、ペットショップへエサを買いに行く用事があったので、それに合わせて神社仏閣を巡りながら走ろうと思い立つ。

というわけで、不定期連載シリーズ「神と仏の長距離走」第二弾。

市比賣神社

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五条通りを西へ向かい河原町通りを南に下ると右手に見えてくるのが「市比賣神社」だ。

この神社は5体の女神を祀る、女性の女性による女性のための神社。僕が訪れた時も参拝客はほぼ女性だった。

ここは女性専用厄除け祈祷所として、京都では古くから有名な神社。

ちょうど御祈祷をしているところで、男性の姿も見えたので、おそらく安産などを願ってのことかもしれない。

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▲細い道に思いの外ひっそりしたたたずまいの市比賣神社。

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▲境内の鳥居。左奥の方で女性が絵馬か何かを書いていた。

清和天皇から後鳥羽天皇までの27代の間、皇室や公家との関連が強く、ご神水を産湯に入れたりしていたらしい。

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▲これがご神水が湧き出る「天之真名井(あまのまない)」。

この水は飲むものではないらしいが、その注意書きを目にした時にはもはや手遅れ。だって柄杓があるから飲めるのかなーって…。

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▲井戸の上に積まれたダルマたち。どっかでみたことあるな、コレ。

由緒ある神社ではあるけれど、「カード塚」なるあらゆるカードを供養する現代的な祭典も行われているそうな。

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▲境内にはビルをくぐっていくスタイル。これも現代的と言えば現代的。

 

蓮光寺

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市比賣神社から西へ二筋、すぐ近くにあるのがここ蓮光寺だ。さほど大きなお寺ではないのだけれど、長宗我部盛親のお墓があることで有名。

長宗我部元親は知ってるけど、盛親って誰…?という恥ずかしい僕にもわかるよう、しっかり立て札で説明を記載してくれていた。

どうやら大河ドラマ真田丸」で一躍スポットを浴びた武将のようで、お墓参りに訪れる人も多いのだろう、墓地まできっちり案内もされている。

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▲境内はこじんまりとしているけれど手入れが行き届いておりとってもステキ。

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▲本堂の横を抜けると墓地にでる。

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▲墓地の奥にある盛親のお墓。かなり質素。

関ヶ原後、盛親は京都で寺小屋を営んでおり、その時に蓮光寺のご住職と親交を持ったらしい。

大阪夏の陣で敗れ、六条河原で斬首されたわけだけど、その首級をご住職がこの地に葬って供養したそうな。

ちなみに、この時盛親41歳。厄年だったんだね。

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▲もうひとつ境内にあるお堂。ここに祀られているのが「駒止地蔵」。

盛親も斬首された六条河原刑場。そこに祀られていたのがこの駒止地蔵だ。

鴨川の氾濫で埋もれてしまったところ、平清盛の馬が立ち止まり動こうとしないので、あたりを掘ってみたところ、この地蔵が出て来たため駒(馬)止という名前になったらしい。

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弘法大師作と言われている高さ約2.5mの駒止地蔵尊。なかなかの迫力。

後で調べてわかったんだけど、本尊の阿弥陀如来は快慶師匠の作らしい。こちらも不思議な逸話がある仏様なんだけど、是非とも見たかったなぁ。

でも予約しないと見れないそうなので、また日をあらためて。

 

蓮光寺から六条通りをさらに東へ。先ほどからちらほら名前が出てくる「六条河原」。刑場があったから当時はかなり物騒な場所だったらしい。

多くのキリシタンが火炙りにされた「京都大殉教」も六条河原だし、石田三成をはじめ、多くの武将が処刑されたのもこの場所だ。

河原付近には遊郭もあって、戦後は赤線となり、現代まで「五条楽園」という表向きお茶屋としての風俗店が軒を連ねていた。

10年ほど前に警察の手が入って営業は終了、最近では川沿いのおしゃれカフェが立ち並び、以前の面影はない。

そんな六条通りから一本南に下って花屋町通りを西に行く。

 

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東本願寺の北側を走る。僕が通っていた代ゼミがオシャレなホテルになってた。

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▲途中で見かけた親鸞聖人の像。街角にこのデカさ。なかなかの違和感。

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親鸞聖人の像に近くにあった「顕道会館」。

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▲仏教系近代建築というのかしらん。かっこいい。

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▲さらに西へ。こんどは西本願寺の北側を走り抜ける。

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西本願寺北東にある「太鼓楼」。新選組の本拠地として使われていた時期もある。

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花屋町通りをさらに西へ。ここから「嶋原商店街」に入る。

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▲道端でみつけた「皇紀二千六百年記念」の石碑。なにこれ。

この石碑、何のことかいなと調べてみたところ、1940年に「紀元二千六百年記念行事」というのがあって、その時に建てられたものらしい。

神武天皇即位から2600年目、全国的に様々な行事が実施された。今でいうフェスみたいなものか。(いや、違う)

その記念として作曲されたのが「皇紀2600年奉祝曲」という楽曲。奇しくも先日、「天皇陛下ご即位30年奉祝コンサート」で演奏されたのがこの曲だ。

 

さて、そんな嶋原商店街の西にそびえるのが「島原大門」。これも有形文化財として登録されている歴史的資産だ。

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▲江戸時代の京都において唯一公許の花街だった島原。

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▲島原の遊郭には新選組の志士も通ったらしい。

以前、石川さゆり椎名林檎が島原の太夫と会うという番組をみたことがある。もはや別世界のこととして見ていた記憶があるけど、その近くを通ることは僕でもできる。

さらに進むと角屋(すみや)がある。ここは遊郭の施設で、現存しているのはここだけらしい。

客層に公家や武家もいたことから、当時の粋を尽くした豪奢な内外装が施されたそうで、現在も中を見ることができる。

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▲角屋への入場料は一般1000円。新選組の刃傷も残っているそうな。

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▲島原住吉神社。前に来た時より綺麗になってる気がする。

 

若一神社

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さて、無事にペットショップでエサを買い終わり、最寄り駅であるJR西大路駅に向かっているところ、歩道に大きな木が祀られていた。

見れば平清盛公云々と書いてある。というわけで最後に寄ってみたのが「若一(にゃくいち)神社」。

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▲結構な大きさで歩道をふさいでいるともとれる。

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▲清盛公が実際に植樹した楠らしい。お地蔵さん掘り起こしたり、木を植えたり、忙しいな。

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▲この木。っていうか、奉燈がボークスの社長やないか!

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▲本殿。開運出世の神様として祀られている。

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▲清盛公ゆかりの御神水がある!

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▲まさかの蛇口から御神水!とりあえず飲む。

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▲境内は広くないけど、いろんなものが所狭しと並んでいた。水みくじもあり〼。

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▲もう一本、大きな木があった。清盛公の楠にも負けず劣らずご立派。

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▲なんか出世できそうな気がしてきたぜ。

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今回は約11キロ。蓮光寺から嶋原商店街までの町並みはレトロだったり、趣深くさびれていたり、見た目にとても興味深かった。

神社仏閣以外にも史跡なんかもあって、ゆっくり歩いて写真撮ったりしても楽しそう。

いつもならエネルギー補給と称して甘いモノを食べているのだけれど、今回は腹回りが気になっているので断腸の思いで自粛。

嶋原商店街の太夫最中、食べたかったなぁ。