右足の幅がFでした。

サブ6ランナーかく語りき

挑戦してもいい頃 (←は?)【読クソ完走文】走れ!マンガ家 ひぃこらサブスリー/みやすのんき

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僕は少年時代にジャンプ黄金期を過ごし、努力・友情・勝利がテーマのマンガをたくさん読んだ。

それがマンガの王道だと思っているし、みんなで盛り上がったのもそういうマンガだ。それは間違いない。

しかし小学校高学年にもなると、男子の間では密かにちょっとしたムーブメントがおきる。

そう、エッチなマンガの開拓である。

誰が持ってきたのか、おそらく兄弟のものであろうエッチなマンガを披露する。

もちろん、少年たちは大盛り上がりだ。大げさだけどお祭り騒ぎといっても過言じゃあない。

そんな思い出の当時、僕の中でビッグスリーといえるマンガ家さんがいた。

弓月光遊人、そしてもうひとりがみやすのんきである。

まさかあのマンガ家がマラソン本を出してるなんて、にわかには信じられなかった。

サッカーブラジル代表だったロナウドがポーカープレイヤーになってるくらい驚いた。

そこが個人的にしっくりこなくて、興味はあれど手を出せなかった本書。この度、今更ながらではあるけれど読ませて頂いた。

 

本書はみやすのんき氏がマラソンを始め、サブスリーを達成するまでの記録である。

またそのために取り組んだ練習や、そこから気付いた走り方までが事細かに記されている。

何と言っても共感できるのが、あまり運動に接してこなかった著者が、サブスリーという快挙を成し遂げたということだ。

これは僕だけじゃなく、一般市民ランナーにとって希望をもたらす貴重なケースだと思う。

 

フォーム解説について

これまで何冊もランニングに関するHowTo本を読んできたけど、本書ほどしっくりくるものはなかった。

僕のランニング経験値が増えたことでフォームに対する理解力が向上したというのもあるだろう。

だけど、著者がポイントとして挙げていることが非常に納得できるのである。

ひとつめは足を蹴り上げるのではなく、「置いてくる」ということ。

裸足ランでもよく言われることなので、ここに関しては理解できる。

裸足で地面を蹴り上げたら足裏が擦れて怪我をしてしまうもの。

次に腰を前に出して上体を起こすということ。

奇しくも、前回のジョグトリップでフォームを試行錯誤してた時に得た感覚と同じ内容だ。

最後に大転子を意識して足を出すということ。

これは、「骨盤の下から脚が伸びているのではなく、骨盤横に脚の支点がある」と意識することだ。

大転子については詳しく知ったのは初めてだけど、実際、そこを意識するだけで何か走りが楽になった気がする。

他にもフォームについて様々なアドバイスが記されているけど、僕はこの3点がとくにしっくりときた。

上記はかいつまんだ説明なので、詳しくは是非本書を参考にして頂きたい。

 

そりゃあ、練習あるのみだよね

著者はかなりストイックだと思う。

本書のタイトルに「ひぃこら」なんて書いているから「ずっこけマラソン奮闘記」みたいなイメージだが、とんでもない。

月間400キロは練習に費やし、距離だけでなく、心肺への負荷、練習強度も考慮した、れっきとしたランナーそのものだ。

しかもそれを練習日記に記して、過去の記録を遡り未来の練習に役立てる徹底ぶり。

さらにランニングクラブにも所属して、まわりから情報を得て、影響を受け、環境作りも完璧。

比べるのは恐れ多いことだけど、気が向いた時にペロっと走ってひぃこら言ってる僕とは全く違う。

著者は、「自分もできたからあなたもできる!」というニュアンスで本書を書いている。

しかし、その裏には当然ながら並々ならぬ練習と走りに対する分析など、サブスリー達成に向けた創意工夫が溢れていた。

僕もかれこれ3年以上走っているけど、未だに4時間30分を切れないのは走りに対する集中力が足りないのだろう。

当然と言えば当然だが、業界の第一線で活躍しているマンガ家さんと一般社会に埋もれたサラリーマンを比べるのもおこがましいことではある。

だけど、本書を読んで自分ももう少しタイムにこだわりたいと思うようになった。

さすがにサブスリーまではちょっと…ではあるけれど、せめてサブフォーは達成したい。

少しずつスピードを意識した練習を取り入れて、今よりもうワンランク上のランナーを目指そうと思う。

こうなったら、やるっきゃナイト。