右足の幅がFでした。

サブ6ランナーかく語りき

シェムリアップでぼったくられたけど、僕はもう一度カンボジアに行きたい。 <その6 さらばカンボジア>

5月25日 ~ 滞在最終日

あまりの寒さに目が覚めた。ガンガンに冷房をかけたまま、セレブソファで寝落ちしていたらしい。午前3時。そこそこな時間寝たと思うけど身体がダルいしまだ眠い。そのまま二度寝するも、結局、5時に起きて昨日できなかった荷造りをする。

ホテルの朝食は早い。6時からスタートだ。6時半には朝食に向かうも、こんな時間に食べに来ている客はいない。そりゃそうだ。リゾートだもん、なんなら昼前まで寝て過ごすことこそ正義。早起きが身に付いた生活をしていると、悲しいかなバカンスに来ても早起きになる。習慣っておそろしい。

最後の朝食はカンボジアのお粥をオーダーした。昨日のアフタヌーンティーの際、どこかにお粥を食べれるところはないかホテルのスタッフに聞いてみたところ、朝食メニューの中にあるという。念願のお粥をこんな身近で頂けた。その上、美味しい。

f:id:iparappa:20180605011536j:plain
カンボジアのお粥、ボーボー。あっさりして胃に優しい。

今日は最終日、ホテルは12時にチェックアウトなのだけど、我々のフライトは18時。その間に荷物を預かってもらって、しばらく街で時間をつぶそうと思っていた。その旨、メガネちゃんに相談へ行くと、なんと出発の時間まで部屋で過ごしても構わないという。通常、レイトチェックアウトには追加料金が必要なものだが、これもサービス。結局、15時30分に空港まで送ってもらうことになった。

 

最後の買い物へ

早めに朝食を済ませたので、もう一度隣の市場へ行ってみた。そしてお土産にアンコールビールを買って帰る。ちなみに、アルコールを国内に持ち込む際、成人一人当たり「760mlのもの3本」まで免税だ。330mlの缶ビールなら6本までOK。それを超える分はビールだと1リットルに対して200円の税金がかかってくる。

f:id:iparappa:20180606001155j:plain
▲会計はリエルで表示。4000で割ってドル換算にしてから支払う。

日用雑貨を販売している商店のおばちゃんからビールを10本ほど購入。実は昨日もここでビールを購入していたので、「ビールの人」という認識だったのだろう、言葉はわからなくともすんなりビールを用意してくれた。

すると市場の前にワッフル屋台が来ている!ガイドブックには神出鬼没、見つけたら即ゲットと書かれていたワッフルだ。地元の人が2人、焼き上がりを待っている。もちろん僕もその後ろに並んでワッフルを購入した。一枚1000リエル。このワッフル、ココナッツ風味で適度な甘さ、外はパリパリ、中はしっとり。そこそこの大きさだけど、2枚はいける。

f:id:iparappa:20180605013904j:plain
ジモティーも買うワッフル。マジでうまい。

f:id:iparappa:20180605013937j:plain
▲1枚30円ほど。いや、これはホンマに買いですわ。

市場へ行ったのは、実のところ、生胡椒を買おうと思っていたからだ。しかし、近所の市場では見つからなかった。一生懸命「フレッシュペッパー!」と説明していたのだが、現地ではの呼び方は「グリーンペッパー」。伝わるはずがない。

生胡椒を求め、最後の買い物、オールドマーケットへ。オールドマーケットはシェムリアップでも有名な市場で、朝から地元の人や観光客でごった返している。近所の市場とは規模が違う。

f:id:iparappa:20180606001245j:plain
▲所狭しと野菜が並ぶ。この中から生胡椒を見つけるのは至難の業。

あちこち見て回るが生胡椒が見つからない。相変わらずフレッシュペッパーなどと言ってるから伝わらない。しかし、よくよく考えたら、何も言葉だけで伝える必要はなかった。そう、スマホを使えばいいのだ。

野菜を売ってる店で若い子に写真を見せるとリーソクツモだ。若者は「こいつら生胡椒欲しいんだってよー!」と、遠くのおばあさんに叫び掛ける。我々は人をかき分けおばあさんの元へ。

f:id:iparappa:20180606001500j:plain
▲生胡椒発見!

他の野菜で埋もれて見えない所から、おばあさんが生胡椒を掴み取る。そう、これこれ!これくれ!おいくら万円かしら?おばあさんに聞くと1キロ5ドルという。適正価格は知らないが、ふっかけてきたのは雰囲気でわかる。

1キロもいらないから3ドルにしてくれ、3ドル分買う!と伝えたいのだが、残念ながらそんな高等会話は成立しない。結局、1キロ4ドルで購入。ちなみにスーパーでもパックに入った小分けの生胡椒が購入できます。

 

日本人と遭遇

無事に目的を果たし、晴れ晴れとした気持ちでシェムリアップの街を歩く。これで最後かと思うと、メトロマーケットを探しさまよった場所でさえ愛おしく感じる。すると、あの時のトゥクトゥク乗りが声を掛けてきた。なんかわからないけど、ありがとー!

そんなセンチメンタルな時でもお腹は減る。そして暑いし喉も乾く。とりあえずホテル近くの食堂に入ってランチにするのだ。ご飯2品とビール2本で5ドル。安定の安さ。

f:id:iparappa:20180606233255j:plain

さあ、ご飯を食べようとしたその時、「あんたら日本人?」と声を掛けられる。隣のテーブルに座っていたおじいさんだ。我々の近くのテーブルで3人の男性がご飯を食べいたのだが、日本人とは気づかなかった。

「わたし、ここに5年くらい住んでますねん。」馴染みある方言で話し始めたおじいさん。相手はご老人ではあるけれど、警戒はしている。異国で話し掛けてくる日本人は、皆うさんくさく感じる。

結果的に、この方は全然普通の方で、ただ日本人を見つけたから話しをしたかっただけのようだった。なんとなく見た目が "平田さん" っぽいので、仮に平田さんと呼ぶ。

f:id:iparappa:20180606233234j:plain

平田さんはセミリタイアして、ここシェムリアップで生活している。確か73歳と言っていた気がするが、見た目はもっと若い。肌ツヤも良い元気なおじいさんだ。年金で生活している。

いわゆる海外移住リタイヤメント層かと思いきや、もともと海外コンサルタントの仕事をし、クアラルンプールやランカウイ島、プノンペンでも生活経験があるバリバリの海外生活上級者だった。

今は知り合いの商売を手伝ったり、相談に乗ったりと相変わらずコンサルタントとして活躍しているそうだ。齢70にしてこのバイタリティはすごい。

友人がそそくさと席を立って帰ってしまったので、平田さんは「そっち行ってええか?」と言い、我々と同席することになった。そして1ドルの焼き飯を食べながらいろいろとカンボジア事情を聞くことになった。

f:id:iparappa:20180606233159j:plain

先ほど一緒にいた友人、彼も70代とのことだが、30代のカンボジア人奥さんがいるそうだ。しかも、1歳半の子供まで!晩婚どころか老婚だ。日本人とアジア人の年の差結婚は良く聞くところだが、カンボジアも例外ではない。

まず、カンボジア男性はあまり働かない。これはタイでも同じことを聞いたけど、暑いと男は働かないのか?その分女性がしっかりしている。気の強い人も多いそうだ。

だから、離婚率がかなり高い。離婚しても女性は子供を育てないといけないから大変だ。そういう背景があり、同じ働かない(働けない)男性でも、お金を持っている日本人はもてるらしい。娘ほど歳が違うと何かあっても強く言えないしな。

日本の初老の元ヤクザが17歳のカンボジア女性の尻にひかれていたこともあったそうだ。ここまでくるとわがままな孫に翻弄されるおじいちゃんでしかない。そんな話を平田さんは楽しそうに語ってくれた。

f:id:iparappa:20180606233327j:plain

1ドルでご飯を提供していた店が1.2ドルにして失敗したとか、たこ焼きの屋台が思いのほか当たったとか、タコがないから代わりにソーセージを使ったとか、興味深い話題がどんどん出てくる。しかし、そういう話題になると気になるのが収入面だ。

例えば日本の会社がカンボジアに工場などを作った際、従業員の賃金は月250ドル。この金額は法律で定められている。対して、街にあるそこそこちゃんとした会社、店舗で月150ドルほど。食堂や商店だと月70~80ドルが相場らしい。

f:id:iparappa:20180606233426j:plain
カンボジアリエル。1ドル4000リエルなので約110円。観光客がリエルを使うことはあまりない。

そう思うと5~10分ほど走るだけで2ドル稼げるトゥクトゥク乗りは、1日に5人乗せたら10ドル。20日働いたら200ドルだ。ガソリン代やトゥクトゥクのメンテナンスもあるが、結構高給取りなのかも知れない。

観光客相手の商売は、やはり割が良いと思う。そんな話をしていると、平田さんがマーケットでの値切り交渉のコツを教えてくれた。しかし、ここではあえて記載しない。最近、タイでは日本人バックパッカーが無理な値切りをしてくるなど現地での印象がよくないらしい。そりゃ安く買いたいし、ぼったくられるのはイヤだけど、観光客は観光客価格でいいのではないか。…初日の自分にそう言ってやりたい。

平田さんの話は尽きないが、我々は今日帰国。そろそろ戻って準備をしなければならない。午後1時、平田さんに別れを告げ食堂を後にした。

f:id:iparappa:20180606223547j:plain
トゥクトゥクの屋根を張り替える少年。良く見るとかなり年期の入ったトゥクトゥクだ。

ホテルに戻り、いよいよ荷物をまとめると出発の時間だ。チェックアウトを済ませ、空港までの送迎車を待つ。ロビーではここへ到着した時と同じく、メガネちゃんが笑顔で我々を見送ってくれた。5日間、お世話になったMane Village Suites。むっちゃ快適やったわー!と英語で伝えてみたけど、たぶん理解はされていなかっただろう。だけど、我々が満面の笑みで語り掛けたことで気持ちだけは伝わったと思う。

空港までの国道6号を走りながら、もはやおなじみになった4ケツバイク、放し飼いの犬、たむろするトゥクトゥク乗りを流れる景色の中でぼんやり眺める。あれだけ精力的に動いたのに、まだまだやり残したこと、やりたかったことはたくさんあるのだ。

f:id:iparappa:20180606234039j:plain
シェムリアップ空港は小さいながらも免税店や売店などがちゃんとある。

空港へ着いた時、ドライバーから包みを受け取った。彼は中身を知らないと言っていたが、ホテルからのプレゼントのようだ。最後の最後までおもてなしがすごいな。正直感激した。はたして、その中身は、よくもわるくも我々の笑いを誘うものだったとだけ言っておく。

飛行機は行きも帰りも大きな問題なく運航した。ただ、帰りのシェムリアップ空港では家人が男子トイレに入るという失態をやらかす。実はこの5日間という短い間に男子トイレ侵入事件は2回目なのだ。言葉がわからないと、こうまで行動に影響するものなのか。ソーリーソーリーと笑ってごまかし出ていく彼女に、外国人から「ノープロブレム」という優しい言葉。いや、大プロブレムです。

f:id:iparappa:20180606233847j:plain
▲さよなら、シェムリアップ

25年ほど前、LÄÄZ ROCKITのライブで「Holiday In Cambodia」を熱唱していた自分が、まさかホントにカンボジアでホリデーを過ごすことになるとは思いもしなかった。4泊5日の短い滞在だったけど、とてもとても楽しかった。ぼったくられたりもしたけれど、僕はもう一度カンボジアに行きたい。

 

お土産について

最後にお土産について少しふれたい。久しぶり、そして次はいつ行けるかわからない海外旅行だったので、はりきってお土産を買ってしまった。正直、あちこちの市場、スーパーを巡り、買い疲れた感は否めないが。そんな中、購入したものをちょっとだけ紹介しようと思う。

 

生胡椒

最終日にゲットした生胡椒。植物扱いのため、日本へ持ち込むには検疫を通す必要がある。もちろん、ちゃんと手続きさえすれば問題ない。とくに引き留められることもなく、すんなりとOKをもらえた。

f:id:iparappa:20180607005926j:plain
▲オイル漬けや塩漬けにしても美味しいらしい。

帰国後、早速炒めモノを作ってみたが、残念ながら現地で食べた時ほどのインパクトはなかった。アンコールビールも現地で飲んだ時ほど美味しくなかったし、その場所の雰囲気って大切なんだな。生胡椒は日持ちしないことから、我が家では冷凍庫に保管している。

 

石鹸

カンボジアではいろんな石鹸を買うことができる。無農薬ハーブやクメールハニーが原料となったものが有名だ。しかし、街のお土産屋さんで売っている1ドル程度の石鹸もなかなか使い心地が良い。(家人談)僕はあまり興味ないのだが、女性は喜ぶ一品だと思う。

f:id:iparappa:20180529235234j:plain
▲この石鹸は使うというより飾って香りを楽しむものらしい。

 

コーヒー

実はカンボジアはコーヒーの原産国。全然知らなかった。しかも結構評判が良いらしい。というわけで、買いました「Gecko Coffee」。ネーミングとロゴにひかれた部分も大きいけど、お手頃価格で購入できる。

f:id:iparappa:20180607010230j:plain

香りはまさにチョコレート。ドリップした感じはドロっとしているけど、口当たりも良く飲みやすい。しかもこれにパームシュガーを入れて甘ったるくすると、これまた美味い。南国のコーヒーって感じ。

f:id:iparappa:20180607010246j:plain

ちなみにこのパームシュガー、1.5ドル~3ドルほどでスーパーやコンビニで購入できる。コインくらいの大きさで5ミリの厚さ。そのままポリポリかじっても美味しい。砂糖をそのまま食べる背徳感。こちらもカンボジアの名産品。

ちなみに「Gecko Coffee」を購入した雑貨店「VERY BERRY」のオーナーは日本人だそう。オシャンティーなものがたくさんおいてあった。

f:id:iparappa:20180607010637j:plain
▲実はこの財布目当てに「VERY BERRY」へ行ったのだった。

 

ピーナッツのお菓子

アジアマーケットで見つけた、袋に入ったお菓子。どこかのブログでこのお菓子を絶賛していたので気になって買ってみた。とりあえず一袋買ってホテルで食べてみたところ、なにこれ激うま。

乾燥したとうがらしと香草、それに岩塩で味付けされた揚げピーナッツはピリ辛アジアな、やみつきフレーバー。ビール止まらねぇ。たまに乾燥とうがらしを食べて、のたうち回るけどやめられねぇ。

f:id:iparappa:20180607010717j:plain
▲見た目イマイチだけど味はピカイチ。これで1.5ドル。

最終的に3袋購入したけど、もっと買えば良かったと後悔している一品。ちなみにこれと鶏肉を一緒に炒め、シーズニングソースで味付けしたら、もう屋台の味!他にもいくつか種類があったので全部食べてみたい。アジア料理好きの方には超オススメ!

カンボジアに行く人がいたら買ってきて欲しい。