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右足の幅がFでした。

サブ6ランナーかく語りき

ダイヤモンドトレイルラン 2016 完走の記録

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11月12日(土)に開催された「第5回 ダイヤモンドトレイルラン 2016」に参加してきました。奈良県当麻寺駅近くに集合ということで、4時半起床、5時半の電車に乗ってスタート地点へ。大会で早起きは普通のことだけど、もし電車が遅れたりしたら大変だなーといつも思う。

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▲JR天王寺で朝日を浴びる。乗り換えが結構ギリギリだった…

さて、今回のコースとなる「ダイヤモンドトレール」。関西では代表的なトレイルのひとつで、奈良県から大阪府を通って和歌山県に抜けるという全長約50キロの縦走路。大会ではその内36キロをコースとして走ります。ちなみに大会名は「ダイヤモンドトレイル」ですが、正式には「ダイヤモンドトレール」と表記されてます。

このダイヤモンドトレイルランに出場するにあたり、僕が掲げた目標は「ワラーチで完走」すること。

これまで正式なトレイルの大会でワラーチで走ったことがないということ、そしてワラーチでの最長走行距離が30キロということ、しかもその時は25キロあたりで足首が痛くなって30キロ地点ではもはや歩くのも困難な状態だった…、という訳でこれを自分なりの挑戦として考えていました。

普段、トレイルもロードもワラーチで走っているものの、そういう意味で一抹の不安があり、でも日ごろの成果を試したいという気持ちもあり、そして初見のコースを走るという楽しみもあり、電車は時間通りに着くかなぁと心配したり、つまりは大会前の独特の雰囲気を感じて集合場所へ向かったわけです。

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▲駅からスタート地点へ。一番右が雄岳、真ん中が雌岳(たぶん…)

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▲視線を左に向けて、あっちの方が大和葛城山(たぶん…)

 今回のコースはピークが2つ。スタートから12キロの標高959.2m大和葛城山。そこから400m下ってから登る金剛山1125m。中盤に二つのピークを越えるため、後半は下りがメインのさほど難易度は高くないコース。とりあえず、第3エイドまで行けば何とかなるというイメージを持ってました。

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もちろんその考えは間違っていなかったのですが、このコースのキモは前半、2つの登りをいかにクリアできるかということ。実は会社の先輩が葛城山の近くに住んでいて、「あの辺りは丸太階段ばっかり」だと聞いていました。 いやいや、階段ドンと来いっすよ!なんて思ってましたが、この後大変な思いをすることに…

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▲ぞろぞろとスタート地点に集まる選手たち。ちょっと少ない気がする。

 スタート会場で登録をすませスタートを待ちます。もらった資料では出場者250名ほどだったけど、明らかに選手が少ない…気がする。そして別に期待しているわけじゃないけど、スタートを盛り上げる演出もなく応援もなくちょっと寂しい。そんなわけで気持ちの盛り上がりと会場の雰囲気に温度差があったのは否めない。

促されるままスタートラインについたら何故か前から2列目!運営の方が写真を撮ってくれましたが、その後はジリジリと後ろへ下がってそれでも5列目くらいからのスタート。見渡したところ、僕のほかにワラーチやサンダルを履いてる人はいませんでした。

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▲気が付けば先頭から2列目に並んでたので、いそいそと後ろの方へ…

午前8時30分、ダイヤモンドトレイルラン2016がスタートしました。まずは舗装路の坂道をしばらく山へ向かって走ります。先ほどの雌岳に向かって進むわけですが、アップもせずにいきなりの坂道、否応なしに心拍が上がります。のっけからしんどいなーと思っていたところ、男性ランナーが抜き去り際に「サンダルですか!」と声を掛けてくれました。「噂には聞いてたけど本当にいるとは…」などとポツリ。

この後も数人から「サンダルすごいっすね!」とか「雪駄はマネできんわ」とかちょくちょく話し掛けてもらいましたが、普段、ワラーチや裸足ランの情報ばかり集めてるので、すっかり普通の感覚でいたけど、やっぱりかなりマイノリティだったようで、あまりの驚かれぶりにこっちが驚きです。だけどそういう意味で注目されているなら頑張らないといけないなとも思いました。

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▲ここから山へ入ります。

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▲さっそく丸太階段!

トレイルに入ってしばらくいくと最初の階段が待ち構えていました。これまでの登りでかなり疲れてた僕はさっそくの階段を歩きながら登ります。イメージでは軽やかに駆け上がる姿を想像していたけど、そりゃやっぱ無理でした。ハァハァ言いながら登ってると後ろからチームサロモンの平山選手がホイホイと駆け上がってくるじゃないですか。あっという間に追い抜かれ見えなくなりました。トップの選手ってスゴイっす。

 とかいいながら、この間に結構な人に抜かれてしまいます。自分ではそこそこ頑張って登ってたつもりなのに!この区間だけじゃなく、ほぼすべての登りで抜かれたり離されたりしました。これは振り返りだけど、自分は致命的に登りがダメです。いや、それトレイルランナーとしてどうなの?

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▲そうこうしてると雌岳山頂。何もない!

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▲その先も丸太階段が続く!

 雌岳から竹内峠に下りて来て、そこで第1エイド。通過したのは9時7分。3.5キロを37分ということだから個人的にはまずまずのペース。とにかく自分のペースを見失わないようギリギリのところで走ります。ここから大和葛城山まではひたすら登り、噂に聞いた丸太階段区間です。

結論からいうと、この間が今回のレースで一番キツかったと思う。階段階段ひたすら階段。よくぞまぁこんなに階段を作ったもんやね。途中ハイカーの方々もたくさんいましたが、結構な大荷物を背負って来てました。あんな重さを背負って階段上るって、走るのとはまた別のスキルがいるんやろうなぁ。しかも年配の方が多かった。

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▲階段が終わったと思ったら、また階段!

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▲これでもかというほど階段!

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▲ステアウェイ・トゥ・階段!階段へ続く階段。

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▲下りもやっぱり階段!

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▲まだまだ階段…

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▲見上げたら階段!

 階段の階段による階段だらけのトレイル。大和葛城山への道のりが果てしなく遠い…!そしてここでまさかのiPhoneバッテリー切れ!不覚にも機内モードにしていなかったため電波探しにかなり充電を使ったみたい。

何とか登り切って葛城山のピークに到着。厳密には山頂を踏まず展望台らしきところから下りましたが、ここの景色がとっても綺麗で是非とも写真におさめたかったものの情けないことに充電切れで動きません。仕方ないので文章だけ。

丸太階段を下るトレイルの両脇には見下ろす山々を背景に背丈ほどのススキが続いていました。午前中の日差しを逆光気味に受けたススキがほんのり浮き上がる様子を視界に入れながら蛇行して下る向こうに霞かかった奈良の街並み、対照的にくっきりと目の前にそびえる金剛山。ところどころ紅葉した山の色味と澄んだ空気が秋をすっかり感じさせてくれました。

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大和葛城山を下って15キロ地点、第2エイドの水越峠に到着しました。まだハイドレーションの水は十分、少しだけフルーツを食べてすかさずiPhoneをモバイルバッテリーにつなげます。次のエイドまで充電すれば後半は撮影できそう。

このエイドでサンダルを履いたランナーに出会いました。たぶんゼロシューズだったと思う。お互い足元を見た瞬間に話のキッカケができるのはサンダルならでは。なんでもエントリーはしてないけど応援しながら走ってゴールを目指すとのこと。しかも小学5年生の息子さんと一緒に来ておられました。

以前に2日掛けて息子さんと縦走したそうですが、これなら行けんじゃね?と思って今回1日で走ることに挑戦しているそうです。僕がゴールした後、ほとんど時間をおかずに親子がゴールに到着してました。いやはや、5年生スゴイ!

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水越峠から金剛山まで言うまでもなく丸太階段。この区間でもさらに数人に抜かれました。逆に2、3人抜いたりもしましたが、抜いた抜かれたはどうでもよくて歩みを止めずに進むことだけ考えました。上り階段で走れないため、平坦と下りは必ず走るという自分ルールを決めて進んでいましたが、ついに右ふくらはぎがピキーン!と。やばい、ツる!さっと立ち止まって足を伸ばします。

実は葛城山あたりからふくらはぎがピクピクしていて、何度かツりそうになっていたものの、だましだまし進んできたのですが、脚はホントに正直でちょっと休ませろと主張してきます。ツりきってしまうと(?)しばらく痛くてつらいので、何とかその手前で抑えつつ階段登りながら脚を伸ばしてみたりして注意しながら進みました。

コース全体でいうと、この登りが最後のピーク、確かにキツい階段でしたがここまでくると身体も気持ちも階段に慣れてきて、葛城山までの階段よりは冷静(いや、もはや無心)にクリアすることができました。そして第3エイドのちはや園地へ到着!

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▲何とか第3エイドに到着!ここの柿がうまかった!

 このエイドでハイドレーションに水を補給しました。今回、1リットルしか背負ってませんでしたが、まだ少し残ってました。スタッフの方がしきりに柿を勧めてこられるので食べてみるとコレがむちゃウマ。結局、まるまる柿1個分食べてしまいました。それもそのはず、金剛山近くの奈良県五條市は柿の産地。「日本一の柿のまち」として知られてます。

トイレを済ませエイドを出たのが12:45頃。関門は14:30なので時間的には十分余裕がありました。しかも後は下りがメイン、気持ち的にも余裕が出てきました。脚も大丈夫、体力も問題ないということで、スタートから4時間15分、残り15キロここから一気にゴールを目指します!

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▲ピークは越したので少しホッとしてる。しかも天気イイ!

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▲あとはこんな感じのステキなトレイルが続く!

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▲と見せかけて、やっぱり階段かッ!

 上の2つの写真に写っている青いシャツの彼とはほぼ同時にエイドを出ましたが、この後すっかり引き離されてしまいます。ここから次のエイドまで、ほとんど周りに人の気配を感じることがなく、普段のように独りで山を駆けていきました。

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▲中葛城山からの眺め。景色見る余裕も出てきた。

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▲25キロ地点、本日5本目のザバス。ちょうど5時間くらい。

 今回設定した「ワラーチで完走」の他に裏テーマとして「水分控えめ、しっかり補給」というものがありました。いや、別に裏とかどうでもいいけど。(言いたかっただけ)

過去に一度、トレランの大会でハイドレーションの水がなくなって炎天下を水分なしで走らなければならない時がありました。それ以降、水不足を必要以上に恐れることになったのですが、当然その分荷物の重さに加わるわけで軽量化を図るためにも適正水分量を見極めたいという思い。

そしてエネルギー補給を少し甘く見ていたところもあるので、そこもきっちりしておきたいなと。ま、今更何を言うてねんというようなことですが、あらためてこのことを考えるに至ったのは、自分の力は信ずるに値しないと痛感したことがキッカケです。はい。

それからもう一つ。どんな状況でも油断しないこと。27キロ地点の第4エイドに到着した時、これで完走は間違いないと確信しました。もし完走できないことがあるとしたらそれは事故だけ。だからこそ特に下りは気を付けて走りました。

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▲最後の下り階段。これがいつ終わるの?ってくらい長かった!

 だけど、さすがに30キロも走ってると集中がゆるむ時があるんですね。長い長い下り階段を進んでる時、それはもう永遠に続きそうなくらい長かったのですが、かなり脚に負担がありました。でも、ここで足を滑らせたら大変!という思いで下っていたので、体勢を崩すことはあったものの、できる限りのスピードで下りきることができました。

しかしその直後、ほとんど何もないところでつまずき、トレイル脇にヘッドスライディングで突っ込みました。幸い左ヒザを軽くすりむいた程度で打ち身もなく、すぐに立ち上がって走ることができましたが、長い下りで脚がフワフワしていたことを自分自身気付いてなかったのが原因です。まだまだ集中というか、常に自分を見ることができてないなと反省です。

そんな出来事もありましたがコースは終盤、いよいよかなり下ってきました。林道がきれいだなと写真をパチリと撮った時、向こうの方でチラリと蛍光色が見えたのです。どうやら先に走っていた選手に追いついたみたい!目の前にわかりやすい目標が出来たので、何とかして追いつこうと気合いを入れます。っていうかワラーチで舗装路下るの痛いし!

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▲走りやすいトレイルを抜けると…

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▲ウェルカム、和歌山県

 前方に見えたのはエイド出てすぐ前を走っていた青いシャツのランナーと同じくエイドで見かけた黄色いシャツのランナー。うおー行ったるでー!とガンガン下っていると何やら後ろから気配が…!黒いキャップをかぶったランナーがまさかの後方からごぼう抜き。我々3人を抜いてあっという間にグングン先へ進んで行きます。

僕も2人をかわしたものの、さっきのランナーが前に見えているのに差は縮まらない。気付けば民家、田舎道をアップダウンして道標に従いながら進むと見下ろすかたちでゴールが見える!結局、最後まで抜き返すことはできなかったけど、彼の存在が最後の力を振りしぼるキッカケになりました。

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▲人里へ下りて来た!ゴールもうちょっと!

 6時間19分56秒、無事に36キロワラーチで完走しました!スタート同様、やっぱりゴールもちょっと物寂しい雰囲気だったけど、独り達成感を味わいながら振る舞われたラーメンを食べました。美味しい!でも辛い!

ゴール後も何人かに声を掛けてもらったのが嬉しかった。その度に控えめだけど真剣にワラーチをオススメしたけど、あまり期待した返事がもらえなかったのが残念。

さっきのサンダル親子がゴールに到着しました。僕に気付き、にこやかに向かって来てくれたので、思わずがっちり握手しました。「最後の下り、痛かったっすねー」などと談笑し、気持ちよく大会を終えることができました。

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▲無事にワラーチで完走!

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▲さよなら、紀見峠。

 

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日本トレイルラン・サーキット協会さんのFacebookに記事が載ってます。