右足の幅がFでした。

サブ6ランナーかく語りき

心と脳と身体とワタシ。

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心と脳と身体の話。今回、結論から先にいうと「具体的な目標を口に出すことでパフォーマンスが向上する」ということ。

身体を動かすのは脳からの指令であるわけだけど、脳へ指令を出すのが気持ち的な問題ともいえるようで、つまり脳が指令を出すように仕向けることが大切なんだなぁと。

「一流選手の動きはなぜ美しいのか」という本にこんな実験がのってました。
20分間走ってもらって体の酸素消費量を調べる、という実験なのですが、

A:20分間走ることを事前に知らされているチーム、

B:10分間走るといわれて終了直前に10分追加と言われるチーム、

C:事前にどれくらい走るか全く聞かされていないチーム。

いずれも走る時間は同じ20分間。

さて、その結果はというと…最も酸素消費量が少なかったのは走る時間を聞かされていなかったCチームだったそう。このチームが身体にとって一番効率よく走ったことになります。さらに10分走って追加時間を言われたチームについては、10分後からの酸素消費量が減ったという結果も出ています。

つまり先がわからない事態に対して、身体が効率よく動けるように脳が指令を出していると。気持ち的には先がわからないと不安になりますが、身体はちゃんと対応してるのですね。そういう意味では大会の試走はしなくても、ぶっつけ本番の方が良い走りができるのかもしれません。

この実験は、

心理「先がわからないので無茶はしたくない」

脳「無茶しないよう効率よく走ろう」

身体「酸素消費をおさえよう」

というながれ。心理的な欲求を脳がくみとって、それを実現できるよう身体に指令を出したと言えます。これは無意識で身体を制御するという実験でしたが、この方程式が成立するなら意図的にこういった図式をつくってもうまくいくのではないか、というのが今回の話。

冒頭で書いたように、意図的であっても脳が指令を出せば身体に影響を与えます。リオ五輪代表に選ばれたマラソンの福士選手も脳神経外科の先生から脳へ働きかける助言を受けて自己最高記録を出しました。本人が「やる!」と明言することでハイパフォーマンスを発揮することができるのです。

ただ、「やる!」というのはいささか漠然としているので、こういう時はやっぱり具体的にするのがわかりやすい。レースを完走するとか、何時間でゴールするとか、それを心から強く思うことができれば脳が実現できるよう身体に指令を出すという仕組み。(なんか神社でお参りする時は詳細にお祈りするっていうのと似てる気がする。)

そうそう、脳は一つのことに集中した方が疲れないらしいので、あと何分で何キロというのを頻繁に気にしたり、周りの選手の動きを気にしすぎたり、結果にこだわりすぎたり思考が散漫になるとフルスペックを出せないらしい。そう思うといつも笑顔で自分の走りに集中するヤマケンさんは理想的な走りなのかもしれない。

何にしても具体的な目標を掲げるのはそれをクリアする小目標を設定できるという意味でもかなり有効な手段だと思う。というわけで!…というわけでもないのだけど、実は僕も今年はじめに具体的な目標を設定したので、ここで明言して潜在能力を引き出したいと思います。

僕の大きな目標は「ULTRA-TRAIL Mt.FUJI に出場して完走すること」。自分でもかなり無謀なチャレンジだと思うのだけれど、今はこれを励みにがんばってます。ただUTMFに出場するためにはポイントが必要で、そのポイント獲得のためいくつかのレースに出場、完走する必要があります。

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▲今年はじめに立てた目標達成へのスケジュール。いきなり修正が必要になったけど…

最短期間で出場できるようレーススケジュールを組んでみたのが上図。丹後の100キロはポイントとは関係ないけど、越えるべき壁だと思ってます。(いや、思ってました…)参加費だけでもなかなかなもので、これに旅費が加わると僕の独断で遂行するわけにはいかないのが現状。

それはともかく、今年の5月に目標達成への第一歩として比叡山インターナショナルトレイルランに出場して、なんとか完走したわけです。確かに比叡山では苦しい時もあったけど、この大目標があったから踏ん張れたところもあるし、日々の練習でも「こんなことでは富士山なんて無理」と思って力を振りしぼることもあるし、そう思うとやっぱり具体的な目標は大切なんだなと思う。

ただ、今回に限っていうと比叡山では己の身の程を知ったので、まだまだ練習が必要で、大会経験も必要だと痛感しました。いくら脳をだましてマックスパフォーマンスで臨んでも今の僕では目標達成が難しいと判断。2018年ではなく2020年のUTMF出場を目指して、再度設定しなおそうと思ってます。

単純に心を強く持って「絶対勝つ!」と自らにプレッシャーを与えたり、「頑張る!」と自分を鼓舞したり、そういうメンタルは大切だと思うけど、スポーツ選手でもない凡人ランナーの僕にはやっぱ難しい。そのかわり具体的な目標を掲げて脳に伝えることで少しでも身体的なパフォーマンスをアップできたらもうけもの。

短期的なものだけでなく、長期的な目標もしっかり定めて取り組んでいこうと思う今日、この頃です。